スーパーやコンビニの食費は経費にできる?材料費として購入した場合は?(開業税理士が執筆)

スーパー 食費 経費
(スーパーの食費って経費にできる?)
  • スーパーの食費は経費にできる?
  • 実際には家庭の食費だけど、経費に入れてもいい?
  • レシートはどう残す?そのつど領収書をもらったほうがいい?

事業をしていると、取引先やの手土産や事務所においておくお菓子などをスーパーやコンビニで買うときがよくありますよね。

結論から言うと、このような食費は事業用として認められれば、経費として計上できます。

ただし、気をつけないと経費に計上されない場合があるんです。

この記事では、スーパーでの食費が経費にできる理由や判断事例、食費を経費にするときの注意点を紹介します。

どの食費を経費に計上できるかわからない方は参考にしてください。

【この記事を書いた人】文章を書くのが三度の飯より好きな40代前半の税理士ライターです。会計や税務について様々なメディアに寄稿しています。上場企業経理として10年勤務(税理士資格取得)後、税理士・執筆業として独立開業しました。税理士としては常時15社の顧客企業の税務を担当しています。

スーパーやコンビニの食費を経費にできる?

スーパー 食費 経費
(スーパーの食費を経費にするには?)

結論から言うと、スーパーやコンビニで購入した食費でも経費にできます

ただし、経費として計上するためには「事業のために必要な出費か」判断する必要があります。

事業に関係ない家の晩ごはんのための食材費などは経費にはできません。

たとえば、以下のような費用は経費として計上可能です。

・来客用のお菓子や飲み物をコンビニで購入した費用

・社内で歓迎会をするための食事をスーパーで購入した費用 など

仕事に関連する食費であれば、もちろん経費として計上できます。

経費計上するためには、領収書やレシートが必要です。

領収書やレシートの裏面もしくはメモに「何のために使った食費か」必ず記載しておきましょう。

食費のレシートは、税務調査のときに目をつけられやすいです。

事業に必要だったという理由を証明するために、メモなどで根拠を残しておくと安心でしょう。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

どんなときにスーパーの食費は経費にしてOK?ケース別の判断事例

スーパー 食費 経費
(スーパーの食費を経費にするときの事例をケース別で紹介

事例1. 自宅兼事務所に仕事関係の人を招いて食事するために食材を購入した

自宅兼事務所に取引先などを招いて食事をすることもありますよね。

打ち合わせなどが長引いて「うちで食事をしながら続きを話しましょう」となることもあります。

そのときの食材の費用は「接待交際費」や「会議費」として計上可能です。

ただし、税務調査で怪しまれる可能性が高いため、「誰と食事をしたのか」「どういう話をしたのか」を必ずメモに残しておきましょう。

また、毎日スーパーで購入したレシートが計上されていると「家の食費を計上しているのでは?」と怪しまれる可能性が高くなります。

税務調査で経費否認をされないために、プライベートでの買い物のレシートが混ざってしまわないよう注意しましょう。

事例2. 仕事関係者への差し入れや手土産で飲み物などを購入した

取引先との商談のために手土産を買ったり、建設業だと現場の人たちにお茶やお菓子を差し入れしたりすることがありますよね。

この費用も「接待交際費」や「会議費」で計上できます。

先ほどと同様に、手土産や差し入れの場合は「誰に渡したのか」をレシートなどにメモしておきましょう。

事例3. 事務所に置いておくお菓子や飲み物を購入した

来客や社員用に、飲み物やお菓子を事務所に置いているケースもあるでしょう。

その場合は、「交際費」や「福利厚生費」として計上可能です。

これらの費用は、目的によって計上する科目が変わるため、お菓子などは来客用と社員用とに分けましょう。

来客用のお菓子などについては、誰に渡すかわからないため、レシートなどにはメモとして「来客用」と書いてください。

税務調査では「自分で食べているのでは?」と疑われることもあります。

そのときのために、来客記録やスケジュールなど事務所に人が出入りしていることがわかる証拠を残しておきましょう。

事例4. 飲食店を営んでいてお店で出す食材を購入した

飲食店を経営しており、お店で出す食材をスーパーで購入した費用は「仕入れ」にあたります。

飲食店の場合は、スーパーの食費が税務署に怪しまれることはあまりありません。

ただし、関係なさそうなカップ麺やお弁当などは「自分の食費を経費にしているのでは?」と疑われます。

税務調査では、レシートの中身までチェックされます。

領収書でもらっていても、税務官などが反面調査としてスーパーでレシートをもらってくるケースもあるのです。

事業とは関係ない費用を計上していると、必ずバレるので「事業に関係ある食費」のみ計上しましょう。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

スーパーの食費を経費にするときの注意点3つ

スーパー 食費 経費
(スーパーの食費を経費にするときの注意点!)

1. 領収書(レシート)を残す

領収書やレシートは必ず残しましょう

スーパーやコンビニでレシートをもらえないことは、ほとんどありません。

レシートを紛失したと言って、出金伝票やメモに書いている食費があまりにも多いと「経費の水増しをしているのではないかと怪しまれます。

領収書やレシートをもらったら、きちんと保管しておきましょう。

2. 誰と、何のために支出した経費か?領収書の裏にメモしておく

取引の内容がわかるよう領収書の裏にメモを残しておくとよいでしょう。

なぜなら、その費用が事業に必要だったのか証拠を残しておく必要があるからです。

ただし、来客用のお菓子や複数の人への差し入れなど、誰に渡したのかが明確でないケースもあります。

そのようなときは、「来客用のお菓子」「◯◯(場所)へ差し入れ用」と書き、具体的な相手をメモする必要はありません。

3. まとめ買いでプライベートのものも一緒に買う場合は会計を分ける

スーパーで買い物をする際に、ついでに自宅用のものを買うことがあります。

そのときは、レジでの精算を分けましょう

なぜなら、プライベートの費用が経費計上されてしまう可能性があるからです。

精算を分けておくことで、税務調査の際も仕事とプライベートの費用は区別していると主張できます。

どうしても会計を分けられない場合は、レシートに書かれたプライベートの費用を線で消し、レシートの合計金額で計上しないよう注意しましょう。

自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

 

このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、

「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」

という状況の方が多いかと思います。

  • まずは自力でなんとかしよう…
  • とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
  • 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…

↑こんなふうに考えながら、

コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。

ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、

少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。

なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、

税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。

(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)

注意してほしいのは、

税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。

事業や副業を始めて1年目〜3年目って、

事業者側も会計に慣れていなくて、

計算まちがいが生じていることって多いんですよね。

税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。

もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、

延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。

こういったリスクを避けるためにも、

「事業や副業を始めた最初の年度」から、

税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。

>>税理士費用の相場がいくらぐらいか?を知りたい人へ

うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)

(自力で税金計算!…は実は「超危険」です)

うちみたいな小さな規模のところには、

税理士なんてまだまだ早い…

↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。

私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。

「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。

ですが、小さい規模の事業者ほど、

事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。

(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)

なぜかというと、

あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。

税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。

(これは誇張ではなく、リアルな話です)

実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや

副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、

事業を始めてまもないころに、

勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、

数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)

を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。

税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。

利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。

ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、

何年後かにいきなり税務調査がきて、

ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。

なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。

(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)

すでに事業や副業をスタートしている人なら、

少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。

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「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります

(節税対策や補助金活用で100万円以上のお金が返ってくることもあります)

 

税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、

使える補助金などの活用方法を教えてくれます。

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「100万円以上も税金が安くなった…!」

なんてことも普通にありますよ。

創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。

(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)

節税対策や補助金を上手に活用できれば、

税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。

あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。

税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。

毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。

これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。

こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、

私たち事業者は売上を少しでも増やすことに集中しましょう。

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