
- 経営セーフティ共済はどんな仕組み?
- 本当に節税効果はある?
- 加入する前の注意点が知りたい!
節税の効果が高いと評判の経営セーフティ共済ですが、
加入の際、本当に節税効果があるのか不安に思う方も多いでしょう。
せっかく入るなら、制度を正しく知って安心して加入したいですよね。
この記事では税理士法人に在籍している筆者が、
経営セーフティ共済のメリットをはじめ、加入前の注意点を紹介していきます。
加入するか迷っている方は参考にしてください。

経営セーフティ共済加入のメリット

経営セーフティネットには2つの大きなメリットがあります。
- 取引先が倒産した時に貸付が受けられる
- 節税効果がある
順に説明していきます。
取引先が倒産した時に貸付が受けられる
これが経営セーフティ共済の本来の役割です。
取引先が倒産しまった場合に経営難に陥らないよう貸付を受けることができます。
無担保・無保証人で掛金の10倍(最高8,000万円)まで、
すぐに借り入れができるため、連鎖倒産への対策になります。
自分の会社が健全経営でも、取引先が倒産する不測の事態はいつ起こるか分かりません。
事業規模の小さな中小企業が、必要な事業資金を迅速に借り入れできる共済制度になっています。
節税効果
経営セーフティ共済は支払った掛金が全て経費(損金)として計上できます。
運営元の中小機構に掛金を預け、40ヶ月経つと満額で引き出すことができます。
いわば外部の積立貯金です。
積立貯金が経費にもなるなんてお得ですよね!
個人事業主の具体例をご紹介
駆け込み加入の場合、前納すれば年間最大240万円の納付が可能で、その分経費計上できます。
例えば事業利益が1,500万円の見込みと仮定した場合、所得税の金額は3,414,000円です。
(1,500万円×33%ー1,536,000円=3,414,000円
青色申告特別控除・その他の所得・所得控除等は考慮しないものとします。)
経営セーフティ共済の掛金を240万円支払うと納税金額は2,622,000円で、
納税額が792,000円も少なくなります。
所得税は高所得者になればなるほど税率が高くなるため、
利益がたくさん出て税率が高くなる時にまとめて前納するのがおすすめです。
節税効果も一段と大きくなります!
共済加入前に知っておいた方がいいこと

加入のメリットが多い経営セーフティ共済ですが、注意点がいくつかあります。
すぐ解約すると元本割れする
経営セーフティ共済は加入してから40ヶ月を経過する前に解約すると元本割れしてしまいます。
また、納付月数が12ヶ月以内だと受け取れず、掛け捨てになってしまいます。
加入後40ヶ月未満は使えないお金と考え、その間は解約しないように注意しましょう。
どうしても引き出したい場合は、次に説明する一時貸付金制度を利用するのがおすすめです。
途中解約には条件がある
取引先の倒産ではなくても、資金繰りに困った場合は一時貸付金を請求できます。
ただし共済金貸付とは異なり、利息がかかるため気をつけましょう。
なお、解約手当金(概ね掛金総額)の95%を限度に貸付を受けることができます。
解約時には収益扱いになる
解約する時の解約手当金は利益となり、収益扱いになります。
事業が赤字になりそうなときに解約して、赤字決算を回避するような手段もあります。
ただ、解約するときは全額利益として返ってきますのでその点は注意しましょう。
加入前、加入後の注意点

新規加入時は決算に間に合うように手続きしよう
個人事業主や12月決算の法人(事業年度1月1日~12月31日)は、
遅くとも12月中旬頃までには申し込み書類を提出し、掛け金を入金しましょう。
11月が決算月の法人の場合は、事業年度の末日頃までに同様の手続きが必要です。
なお、加入できるのは、加入時に1年以上事業をしている中小企業です。
事業を始めたばかりの場合は加入出来ないためご注意ください。
加入2年目以降の前納は要注意!
掛金を前納して加入した人にありがちなのが、2年目以降の前納手続き忘れです。
加入後は、手続きをしなければ前納分終了後に月払いになってしまいます。
2年目以降も前納したい場合は、新規加入よりも申込締切が1ヶ月早くなります。
タイミングを逃して決算対策ができないことのないように早めに手続きしましょう。
正確な締切日はどの委託機関を通じて申し込むかによって異なります。
顧問税理士や運営元の中小機構などへ確認するのが確実です。
注意点に気をつけて、経営セーフティ共済を活用しよう!

経営セーフティ共済は、取引先が倒産した場合に掛金に応じて貸付を受けられる制度です。
40ヶ月掛金を納めれば解約時に全額戻ってくるうえに、
前納を活用するとまとまった額の経費計上が可能で節税効果も期待できます。
また解約時には収益になるため、赤字決算を免れるための切り札にもなります。
注意点に気をつけつつ、活用してみてはいかがでしょうか。
自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?
このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、
「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」
という状況の方が多いかと思います。
- まずは自力でなんとかしよう…
- とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
- 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…
↑こんなふうに考えながら、
コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。
ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、
少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。
なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、
税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。
(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)
注意してほしいのは、
税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。
事業や副業を始めて1年目〜3年目って、
事業者側も会計に慣れていなくて、
計算まちがいが生じていることって多いんですよね。
税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。
もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、
延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。
こういったリスクを避けるためにも、
「事業や副業を始めた最初の年度」から、
税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。
うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)

うちみたいな小さな規模のところには、
税理士なんてまだまだ早い…
↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。
私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。
「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。
ですが、小さい規模の事業者ほど、
「事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。
(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)
なぜかというと、
あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。
税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。
(これは誇張ではなく、リアルな話です)
実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや
副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、
事業を始めてまもないころに、
勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、
数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)
を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。
税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。
利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。
ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、
何年後かにいきなり税務調査がきて、
ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。
なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。
(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)
すでに事業や副業をスタートしている人なら、
少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。
「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります

税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、
使える補助金などの活用方法を教えてくれます。
利益がかなり出ている年に適切な節税対策ができれば、
「100万円以上も税金が安くなった…!」
なんてことも普通にありますよ。
創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。
(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)
節税対策や補助金を上手に活用できれば、
税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。
あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。
税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。
毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。
これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。
こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、
税理士費用の相場とかよくわからない方へ

「でも、税理士なんて知り合いにいないし、
そもそも税理士の料金相場とかさっぱりわからないんだけど…」
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