領収書は日付なしだと無効?経費にして確定申告…は違法?頼まれたらどうする?(開業税理士が執筆)

領収書 日付なし
領収書に日付の記載がないとどうなる?
  • 日付なしの領収書は有効なの?
  • 領収書の日付を自分で書き足したら違法になる?
  • 日付なしの領収書を頼まれたときの対処法は?

経費にしたい支払いの領収書をよくみたら、日付が書いてない…

こんなことってよくありますよね。

サラリーマンが会社の経費精算をしたいときや、

自営業として確定申告するときによくある困った場面です。

基本的に、日付の記載がなくても領収書としての効力がなくなることはありませんが、

場合によっては脱税行為などの疑いを持たれてしまう可能性もあるため注意しなければなりません。

この記事では、日付なしの領収書が有効、あるいは無効となるケース、また領収書に日付がなかった場合の対応などについて解説します。

領収書に日付の記載がなくても落ち着いて対処できるように、領収書を扱う際の注意点を頭に入れておいてください。

  • 全国で5万人を超える個人事業主の確定申告に携わる会社で営業、カスタマーサポートとして4年間勤務。
  • 4年間で1,500名超のお客さまのサポートを担当。
  • FP2級の資格を持っています。
  • 現在、0歳と2歳の子どもを育てるママライターです。
【この記事を書いた人】文章を書くのが三度の飯より好きな40代前半の税理士ライターです。会計や税務について様々なメディアに寄稿しています。上場企業経理として10年勤務(税理士資格取得)後、税理士・執筆業として独立開業しました。税理士としては常時15社の顧客企業の税務を担当しています。

日付なしの領収書は有効?無効?

領収書 日付なし
日付のない領収書は経費精算に有効?

結論から言うと、日付がない領収書でも有効です。

領収書は現金の受け渡しをしたことを証明する書類なので、日付がなくても金額が正しければ領収書として認められます

日付がないことで領収書が無効になるようなことは原則としてないのです。

(ただし、自分で日付を後から書くようなことはしてはいけません。その理由はあとで説明します)

日付なしの領収書が問題になるのは、税務調査などが入ったときです。

普段、会計処理を正しくきちんとやっている人でも、

税務調査で日付のない領収書なんかがポロッと出てくると、

「この人は全部の領収書で同じようにいい加減なことをやっているのでは?」

と税務調査官に疑われる可能性があるからです。

そうなると、正しく処理している経費についても、

経費として落とすことが認められない…なんて事態も招きかねません。

領収書の日付については、

  • なくても有効だが、あるに越したことはない。
  • ない場合には自分で書き足すようなことはせず、そのままにしておく。

と考えておきましょう。

日付なしの領収書が無効になってしまうケース

日付なしの領収書が無効になるのは「脱税行為のために利用した」ときだけです。

具体的には、

  • 実際とは異なる日付をあとから記載し、税金の還付を受けた
  • 実際とは異なる日付をあとから記載し、税金の支払いを免れた

といったケースが挙げられます。

このような場合、領収書が無効になるどころか追徴金を課せられ、悪質性が高いときには刑罰の対象になることもあるのです。

税務調査では、領収書を発行した店に裏取りをしたり、筆跡診断をしたりあらゆる手段を使って調査されるので、脱税行為は必ずバレます。

脱税行為のために、領収書にあえて日付を書かないよう依頼するのはやめましょう。

宛名や住所がないものは?

日付以外にも宛名が空欄や上様になっている、まれですが発行元の住所がないというケースもあるでしょう。

このような場合でも、現金の受け渡しが実際に行われ領収書に記載されている金額が正しければ、経費として認められます

ただし、宛名や発行元の住所が記載されていない場合は税務調査のときに怪しまれる可能性があります。

できる限り宛名は個人名や屋号を、発行元の住所や店名を漏れなく記載してもらうようにしましょう。

領収書をもらったときにきちんと書かれているかチェックする習慣をつけておくと安心です。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

領収書に日付がなかったときの対処法

領収書 日付なし
領収書に日付の記載がなかったらどう対処する?

1. お店に記載してもらう

領収書の日付などの項目が漏れていることに気づいたら、お店の人に書き加えてもらいましょう

記載してある日付が誤っている場合は、訂正や領収書の再発行を依頼します。

領収書の記載事項を訂正する際は、修正テープを用いることはできません。

二重線を引いて訂正印を押し、正しい日付に書き換えてもらうことになります。

また、領収書の表面に加筆・訂正できるのは発行元のお店だけです。

自分で訂正したくなる気持ちも分かりますが、税務調査のときに自分で加筆したことがわかると、

その領収書が経費として認められない可能性もあります。

日付を書き加えたり訂正したりする場合は、自分で行うのではなく必ずお店の人に依頼するよう注意してください。

2. 代わりになる書類を残す

あとから日付がないことに気づいて、わざわざお店に言いに行くのは面倒ですよね。

そんなときは、領収書の代わりになる書類を残しておきましょう

領収書代わりになる書類は以下のとおりです。

  • レシート
  • 納品書
  • 請求書 など

通常、納品書や請求書は経費の証明書類になりませんが、実際に取引があったことを証明する書類になります。

領収書と一緒にこれらの書類も保管しておけば、税務調査のときも実際に取引があったことを証明できます。

3. 領収書の裏面やメモに書く

代わりになる書類もない場合には、領収書の裏面やメモに日付を記載しておきましょう。

前述にもあるように領収書の表面に加筆できるのはお店側だけです。

領収書の日付欄に書くのではなく、領収書の裏面やメモに支払った日付を書いてください。

具体的な日にちがわからない場合は、◯月ごろなど大まかに書いても大丈夫です。

ただし、年をまたぐ場合はいつの経費になるのかで税額に影響するため、注意しなければなりません。

スケジュールなどを見返して、できる限り正確な日付を書くようにしましょう。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

日付なしで領収書の発行を頼まれたら?

領収書を発行するお店側の場合、「日付なしの領収書を発行してほしい」と言われることがあるでしょう。

取引先やお客様から頼まれるとなかなか断りづらいケースも多いことと思いますが、

できるかぎり領収書の日付はしっかり記載して発行しなければなりません

上記で解説したように、日付がない領収書を発行すると脱税行為のような不正に使用される恐れもあります。

税務調査のときに領収書の発行元へ確認が行われることもあるのです。

日付なしの領収書を発行していると、脱税に加担していると思われるなど余計なトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

領収書を発行する際は、必要事項をきちんと記載してお客様に渡すようにしましょう。

従業員がいる場合は、従業員にも正しい書き方を教えておくと安心です。

自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

 

このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、

「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」

という状況の方が多いかと思います。

  • まずは自力でなんとかしよう…
  • とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
  • 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…

↑こんなふうに考えながら、

コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。

ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、

少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。

なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、

税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。

(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)

注意してほしいのは、

税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。

事業や副業を始めて1年目〜3年目って、

事業者側も会計に慣れていなくて、

計算まちがいが生じていることって多いんですよね。

税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。

もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、

延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。

こういったリスクを避けるためにも、

「事業や副業を始めた最初の年度」から、

税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。

>>税理士費用の相場がいくらぐらいか?を知りたい人へ

うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)

(自力で税金計算!…は実は「超危険」です)

うちみたいな小さな規模のところには、

税理士なんてまだまだ早い…

↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。

私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。

「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。

ですが、小さい規模の事業者ほど、

事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。

(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)

なぜかというと、

あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。

税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。

(これは誇張ではなく、リアルな話です)

実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや

副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、

事業を始めてまもないころに、

勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、

数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)

を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。

税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。

利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。

ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、

何年後かにいきなり税務調査がきて、

ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。

なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。

(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)

すでに事業や副業をスタートしている人なら、

少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。

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