マネーフォワードがあれば税理士不要!…と言われる理由と失敗するパターン(開業税理士が執筆)

マネーフォワード 税理士 不要
マネーフォワードがあれば税理士はいなくても大丈夫?
  • マネーフォワードがあれば税理士は不要?
  • 確定申告もマネーフォワードがあれば自力でできる?
  • なんでみんなわざわざ高い費用を払って税理士と顧問契約するの?

マネーフォワードは、月額支払いの格安料金で使える会計ソフトですね。

会計freee(フリー)などと並んでシェアの大きい有名ソフトですが、

マネーフォワードがあれば税理士は不要」といわれることもあります。

税理士と顧問契約した場合にかかる費用は毎月2万円〜3万円ぐらいが相場ですが、

これと比べると会計ソフトだけで済めばものすごく経費が安く済みますよね。

ですが、これって本当に大丈夫でしょうか?

結論から言うと「マネーフォワードさえあれば税理士は不要!」と考えるのは危険です。

自己流で経理や税務申告を済ませていると、

何年も後になってから税務調査や銀行とのやりとりで致命的なダメージを負う可能性がありますので、くれぐれも注意してください。

この記事では、マネーフォワードがあれば税理士はいらないといわれる理由や、

税理士に頼らずマネーフォワードを利用することで起こりうる失敗などについて解説します。

税理士とマネーフォワード、どちらにするか悩んでいる方は、参考にしてみてください。

【この記事を書いた人】文章を書くのが三度の飯より好きな40代前半の税理士ライターです。会計や税務について様々なメディアに寄稿しています。上場企業経理として10年勤務(税理士資格取得)後、税理士・執筆業として独立開業しました。税理士としては常時15社の顧客企業の税務を担当しています。

 

マネーフォワードがあれば顧問税理士なんて不要…!と言われる理由5つ

マネーフォワード 税理士 不要
マネーフォワードがあれば税理士はいらないといわれるのはなぜ?

1. 会計データをひたすら入力していくだけでなんとなく決算までできてしまう

マネーフォワードがあれば税理士が不要といわれる理由のひとつが、会計データを入力していくだけでなんとなく決算までできてしまうからです。

会計入力というよりもデータ入力をしていく感じですね。

会計入力ですと専門の知識が必要ですが、マネーフォワードは取引に対し、科目を選択して入力すれば、複式簿記のデータができます。

一見すると簡単そうに思えますが、その入力が正しいかどうかの判断は、知識がないとできません。

例えば、自動車などの固定資産を売却した場合、売却金額をそのまま収入にするのではなく、収入から自動車の取得価額を差し引いた金額を収入または損失とします。

このように、知識がないと判断に迷う場面は多々あります。

誤った処理をおこなった場合、税計算にも影響が出るため、注意が必要です。

 

2. 銀行やクレカとのデータ連携で自動的に処理できてしまう

マネーフォワードは銀行やクレカと自動連携でき、仕分けもAIが判断してくれるため、税理士は必要ないと思われがちです。

しかし、自動仕分けには設定が必要です。

また、前述したような固定資産の売却など、複雑な仕分けに対応することはできません。

こちらもある程度の知識とチェックが必要となります。

税理士は不要、と判断するのは早計でしょう。

 

3. 確定申告書もマネーフォワードが作成してくれるから

マネーフォワードがあれば税理士が不要とされる理由として、確定申告書を自動的に作成してくれることも挙げられます。

たしかに、面倒な確定申告をマネーフォワードだけで処理できればとても便利ですよね。

しかし、正しい確定申告書作成は、その前処理となる会計データが正しいことが前提となります。

間違った会計処理は間違った確定申告書となり、税計算も間違いとなります。

税務調査が入って間違いを指摘された場合、修正が必要となるのです。

税額が過少の場合は、修正だけでなく、延滞税加算税が課されるリスクもあります。

マネーフォワードは確定申告の助けとはなりますが、正しい会計処理までは担保できないことを頭に入れておくべきでしょう。

 

4. 税理士よりもコストが安いから

マネーフォワードは税理士よりコストが安いという点でも、税理士より魅力的に思われがちです。

売上規模や個人や法人にもよりますが、税務顧問や記帳代行を依頼する場合、月額2〜3万円、年額24万円〜36万円となります。

一方、マネーフォワードは個人であれば、月額800円〜、年額9,600円〜、法人であれば、月額2,980円〜、年額35,760円〜となります。

たしかに、税理士を雇うよりも安いですよね。

単純に価格のみで判断すれば、税理士よりもマネーフォワードの方が有利でしょう。

しかしながら、安ければ良いわけではありません。

先に述べた事由などにより、正しい処理をおこなうことができず、結果、失敗をするというケースも多々あります。

税理士ではなくマネーフォワードを選ぶことで、

修正により余計な時間がかかる延滞税や加算税がかかるといったリスクも考慮するようにしてください。

 

5. 料金に見合わないダメな税理士も多いから

料金に見合わないダメな税理士が多いことも、マネーフォワードがあれば税理士が不要といわれる理由のひとつです。

顧問料だけ請求し、特に何もアドバイスをしない。

顔を見せるのは、決算申告のときしかない。

記帳や申告にミスが多い。

上記のように何のために税理士に顧問料を支払っているかわからないケースもあります。

しかし、もちろんなかには優れた税理士もおり、マネーフォワードがあっても税理士がいた方がよいというのも事実です。

それは、マネーフォワードができないことでも税理士ならできるからです。

まず、マネーフォワードでは個人の確定申告書は作成できますが、法人の申告書は作成できません。

また、マネーフォワードはあくまでデータ処理をするものです。

節税相談や経営相談など、税理士の知見を活かした仕事はマネーフォワードではできないのです。

事業を始めたばかりで赤字で納める税金もない場合であれば、マネーフォワードだけでも良いかもしれません。

しかし、事業が成長し、規模が大きくなれば、複雑な会計処理も増えますし、節税や経営の相談も必要となります。

事業の成長に応じて、税理士は必要になりますし、自分でおこなっていたソフト入力もアウトソーシングしましょう。

そうすることにより、経営に専念でき、さらなる売上アップにつなげることができます。

自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

 

このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、

「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」

という状況の方が多いかと思います。

  • まずは自力でなんとかしよう…
  • とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
  • 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…

↑こんなふうに考えながら、

コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。

ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、

少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。

なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、

税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。

(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)

注意してほしいのは、

税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。

事業や副業を始めて1年目〜3年目って、

事業者側も会計に慣れていなくて、

計算まちがいが生じていることって多いんですよね。

税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。

もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、

延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。

こういったリスクを避けるためにも、

「事業や副業を始めた最初の年度」から、

税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。

>>税理士費用の相場がいくらぐらいか?を知りたい人へ

うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)

(自力で税金計算!…は実は「超危険」です)

うちみたいな小さな規模のところには、

税理士なんてまだまだ早い…

↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。

私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。

「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。

ですが、小さい規模の事業者ほど、

事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。

(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)

なぜかというと、

あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。

税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。

(これは誇張ではなく、リアルな話です)

実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや

副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、

事業を始めてまもないころに、

勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、

数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)

を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。

税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。

利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。

ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、

何年後かにいきなり税務調査がきて、

ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。

なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。

(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)

すでに事業や副業をスタートしている人なら、

少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。

>>自社の近所で「最安値の税理士事務所」を知る方法

「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります

(節税対策や補助金活用で100万円以上のお金が返ってくることもあります)

 

税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、

使える補助金などの活用方法を教えてくれます。

利益がかなり出ている年に適切な節税対策ができれば、

「100万円以上も税金が安くなった…!」

なんてことも普通にありますよ。

創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。

(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)

節税対策や補助金を上手に活用できれば、

税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。

あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。

税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。

毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。

これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。

こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、

私たち事業者は売上を少しでも増やすことに集中しましょう。

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「でも、税理士なんて知り合いにいないし、

そもそも税理士の料金相場とかさっぱりわからないんだけど…」

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税理士って、地域によって料金相場がまったく違うので注意してください。

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まとめて見積もりを取って最安値の水準を知っておくことが大切です。

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