仮想通貨の取得単価がわからない場合の計算方法は?確定申告の所得計算(開業税理士が執筆)

仮想通貨 取得単価 わからない
仮想通貨の取得単価がわからない場合はどうする?
  • 仮想通貨の取得単価がわからない場合はどうしたらいい?
  • 取得単価を簡単に計算する方法はある?
  • どのくらいの所得で法人化するべき?

確定申告をしなければならないけど、仮想通貨の取得単価がわからずに損益計算ができない

こうした声を時折耳にします。

日々仮想通貨の売買を行っていると、いついくらで購入したのかわからなくなることも多いですよね。

もし仮想通貨の取得単価がわからなくなっても、簡単な方法で計算することができます。

確定申告時に慌てないためにも、計算方法を知っておくと安心ですよ。

この記事では、仮想通貨の取得単価の計算方法について解説します。

法人化の目安となる年間所得金額についても解説しているので、参考にしてみてくださいね。

【この記事を書いた人】文章を書くのが三度の飯より好きな40代前半の税理士ライターです。会計や税務について様々なメディアに寄稿しています。上場企業経理として10年勤務(税理士資格取得)後、税理士・執筆業として独立開業しました。税理士としては常時15社の顧客企業の税務を担当しています。

仮想通貨の取得単価がわからない場合の計算方法

仮想通貨 取得単価 わからない
仮想通貨の取得単価がわからなくても計算できる!

仮想通貨の取得単価がわからない場合は、収入金額の5%を取得単価とみなしてよいということが国税局のFAQに示されています。

「2-7暗号資産の取得価額や売却価額がわからない場合」

売却した暗号資産の取得価額については、売却価額の5%相当額とすることが認められます。

国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて」

損益計算を行う場合も、仮想通貨の取得価額を収入金額の5%とみなすことで所得を求めることができます。

具体的な計算方法ですが、例えば

  • 給与収入がメインのAさん
  • 2018年に1ビットコイン(BTC)を購入していた。取得価額不明。
  • 2023年になってビットコイン(BTC)が高騰していることを知り、300万円で全て売却した。
  • 過去の資料を漁ってもいくらでビットコインを取得したのかわからない。

このような状況の場合、損益を計算すると

取得単価=不明

売却価額=300万円

となり、不明箇所があり正しく損益計算ができません。

そこで、国税局の指示どおり仮想通貨の取得価額を売却額の5%とすることで正しく損益計算することが可能になります。

上記の例を実際に計算すると

取得単価=300万円✕5%=15万円

と計算することができます。

したがって、Aさんの仮想通貨取引による所得は、

300万円−15万円=285万円

と計算できるのです。

仮想通貨の取得単価が5%より低い場合の計算方法

仮想通貨の取得価額が5%よりも低い場合は、みなし取得単価である5%を取得単価とすることができます。

つまり、本当の取得価額と5%の取得価額のどちらか大きい方を選択することができるのです。

みなし取得単価を採用することで、本来の所得金額よりも低く計算することができますので、積極的に取り入れていきましょう。

先程の具体例を用いて解説します。

  • 給与収入がメインのAさん
  • 2018年に1ビットコイン(BTC)が10万円の時に、1BTC購入した。
  • 2023年になってビットコイン(BTC)が高騰していることを知り、300万円で全て売却した。

このような状況の場合、損益を計算すると

取得単価=10万円

売却価額=300万円

となり、所得金額は300万円-10万円=290万円となります。

ですがここで、国税局の指示どおり仮想通貨の取得価額を売却額の5%とすることで所得金額を低くすることができます。

先程も記載したとおり、取得価額を5%で計算すると

取得単価=300万円✕5%=15万円

です。

国税局の指示によると、本来の取得価額とみなし取得価額のどちらか大きい方を採用することができます。

ですから、本来の取得単価は10万円ですが、今回の取引の取得価額はより額の大きい15万円を採用することが可能です。

まとめると、Aさんの仮想通貨取引による所得は、

300万円−15万円 = 285万円

と計算でき、本来の取得価額で申告するよりも所得を抑えて申告することが可能なのです。

仮想通貨の取得単価を適切に管理する方法

仮想通貨の取得価額がわからない場合の計算方法について解説してきましたが、仮想通貨の取得価額を適切に管理する方法についても知っておきましょう。

紹介するのは、月毎に移動平均法を行うという方法です。

仮想通貨の売買を日々行っていると、そのたびに取得価額が上下してしまい、正確に取得価額を計算することが難しくなってきます。

そこで、いくらで買っていくらで売却したのかを月毎に管理することで、適切な管理が可能になるのです。

具体的な方法としては、日々の取引を記録し、月末の残高と月末の時価を計算し、その月の日毎の損益との差額を計上します。

このように月毎に移動平均法で取得価額を計算する方法は、多くの会計士が採用しています。

実際に私も会計事務所に所属していた際には、仮想通貨の取得単価は月毎の移動平均方法を採用していました。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

仮想通貨で年間800万円所得が出ているなら法人化も検討しよう

仮想通貨 取得単価 わからない
法人化の目安となる年間所得額は800万円

会計の仕事をしていると、「どのくらいの所得があれば法人化すべきですか?」と聞かれることがあります。

その際には「年間所得金額が約800万円を継続的に超えたら法人化を検討しましょう」と伝えています。

なぜなら、個人所得が約800万円を超えてくると法人税よりも個人の税率の方が高くなり、損をする可能性があるからです。

個人の所得税は、累進課税制度を採用しており、所得額が増えるほど税率が高くなります。

最大では45%です。

また、個人の所得が上がると住民税も高くなってしまいます。

住民税は地域によって差がありますが、所得の約10%が徴収されます。

所得税と合わせると最大55%になり、かなりの税負担です。

その点、法人を設立をして、適切な管理の元、役員報酬を設定して定期的に支払うことで、所得税と住民税の両方を調整することができます。

また、法人税率は約23%と、個人税率と比べるとかなり割安です。

したがって、仮想通貨取引においてたくさんの収益を得ている方ほど、法人化したほうが損をしないと言えるのです。

自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

 

このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、

「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」

という状況の方が多いかと思います。

  • まずは自力でなんとかしよう…
  • とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
  • 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…

↑こんなふうに考えながら、

コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。

ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、

少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。

なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、

税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。

(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)

注意してほしいのは、

税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。

事業や副業を始めて1年目〜3年目って、

事業者側も会計に慣れていなくて、

計算まちがいが生じていることって多いんですよね。

税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。

もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、

延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。

こういったリスクを避けるためにも、

「事業や副業を始めた最初の年度」から、

税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。

>>税理士費用の相場がいくらぐらいか?を知りたい人へ

うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)

(自力で税金計算!…は実は「超危険」です)

うちみたいな小さな規模のところには、

税理士なんてまだまだ早い…

↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。

私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。

「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。

ですが、小さい規模の事業者ほど、

事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。

(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)

なぜかというと、

あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。

税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。

(これは誇張ではなく、リアルな話です)

実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや

副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、

事業を始めてまもないころに、

勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、

数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)

を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。

税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。

利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。

ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、

何年後かにいきなり税務調査がきて、

ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。

なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。

(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)

すでに事業や副業をスタートしている人なら、

少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。

>>自社の近所で「最安値の税理士事務所」を知る方法

「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります

(節税対策や補助金活用で100万円以上のお金が返ってくることもあります)

 

税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、

使える補助金などの活用方法を教えてくれます。

利益がかなり出ている年に適切な節税対策ができれば、

「100万円以上も税金が安くなった…!」

なんてことも普通にありますよ。

創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。

(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)

節税対策や補助金を上手に活用できれば、

税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。

あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。

税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。

毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。

これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。

こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、

私たち事業者は売上を少しでも増やすことに集中しましょう。

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税理士って、地域によって料金相場がまったく違うので注意してください。

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