- 会社設立の後にやることってどんなこと?
- 税務署・年金事務所・ハローワーク…どこに対してどんな書類を出すの?
- 罰則とかあるの?
会社設立「前」にやることのリストってネットで調べるとたくさん出てきますが、
会社設立「後」にやることって意外に情報が少ないですよね。
今回は、会社設立後の必要な手続きや提出書類のリストを作成してみました。
会社設立手続きのめどがついたタイミングで、少しずつ準備を進めていきましょう。
会社設立後にやることリスト(税務署でやること)
会社設立後の手続きでもっとも重要なのは、
税金を正しく納めるための手続きです。
会社の税金は、「国・都道府県・市区町村」の3カ所に対して納める必要があります。
まずは国に対して納める税金(国税)の手続きを完了しましょう。
国税に関する手続きの窓口は「税務署」になります。
1. 法人設立届出書
- 提出期限:会社を設立した日から2か月以内
- 添付資料:定款
定款は会社設立前に司法書士などに作成してもらいます。
定款の内容としては、社名や本店の所在地などの基本情報の他に、
決算月や取締役会を設置するのかどうか、発行できる株式数の上限など、
設立する会社に関する情報が記載されます。
法人設立届出書とは、税務署へ「はじめまして」のご挨拶だと思ってください。
2. 青色申告の承認申請書
提出期限:会社を設立した日から3か月を経過した日の前日まで
「3か月を経過した日の前日」の表現が独特で分かりにくいのですが、
例えば4月1日に設立した場合、6月30日が期限となります。
提出することによって欠損金の繰越控除等の税制上の特典が受けられます。
承認申請書なので、承認を受けてはじめて特典を受けられるものです。
申請が1日でも遅れると承認されないので、提出期限は厳守しましょう。
3. 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
提出すると源泉所得税の税額表と、源泉所得税の納付書が送られてきます。
「この納付書を使って、役員や従業員さんの源泉所得税の納付を毎月行ってね!」
と言ってくるわけです。
源泉所得税の納付は毎月行うのが原則ルールですが、
次で紹介する「納期の特例」の手続きをおこなっておくと、
源泉所得税の納付を「半年に1回まとめて行う」かたちに変更することが可能になりますよ。
4. 源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書
ただし、注意点としては、納期の特例は提出した翌月に支払う給与に係る源泉所得税(翌々月納期限分)より適用されることです。
例えば1月に提出したら、
- 1月支払分→2月10日納期限
- 2月支払分→納期の特例が適用
ということになります。
この場合、1月分については納期の特例は適用になりませんので注意してください。
会社設立後にやることリスト(都道府県・市町村)
「都道府県」「市町村」へ納める税金を地方税といいます。
都道府県へ納める税金を管理している機関は都道府県税事務所です。
市町村へ納める税金を管理しているのは市町村役場の「法人課税課」です。
1. 法人設立・設置届出書
- 提出期限:会社を設立した日から2か月以内
- 添付資料:定款、履歴事項全部証明書
こちらも税務署と同様に「はじめまして」のご挨拶と考えてください。
忘れずに提出しましょう。
2. 申告書の提出期限の延長の特例
- 提出期限:最初に受けようとする事業年度終了日まで
- 添付資料:法人税に係る申告期限の延長の特例の申請書(控)、定款
本来、申告書の提出期限は事業年度終了日後2か月以内と定められていますが…。
売上規模が大きくなった場合や、
経理処理が複雑な業種などの場合は決算書の作成に時間がかかってしまう事も良くあります。
延長の特例申請をすることで、1か月延長して3か月以内の提出にしてもらう事ができます。
決算書の作成などに時間がかかりそうな場合などは、決算日までに延長特例の申請を行いましょう。
申告期限の延長特例は税務署へ提出した控えを添付する必要があります。
会社設立後にやることリスト(労働基準監督署)
労災保険は1人でも労働者を雇った場合、適用事業所となります。
労働者とはパート・アルバイトの雇用形態は関係なく、雇用される全ての人をいいます。
(ただし、会社の代表者は労働者にはあたりません。
なので、社長1人で法人成りするケースでは労災保険の手続きは必要ないです)
労働者が業務遂行中にケガをしてしまったら…?
そのケガが原因で障害が残ってしまったら…?
労働災害に備えるのは会社の義務ですので、必ず期限までに手続きを完了しましょう。
1. 労働保険関係成立届
- 提出期限:雇入れ日から10日以内
- 添付資料:履歴事項全部証明書
労働基準監督署へ提出した書類の控えをハローワークへ提出する必要があります。
労働基準監督署→ハローワーク
の順番を逆にしないよう注意してください。
2. 労働保険概算保険料申告書
雇入れ日から年度末(3月31日)まで概算で計算した労働保険料を前払いします。
基本的に労働保険は、
概算前払い→事実に基づいて精算→概算前払い
この繰り返しとなります。
この労働保険を未納のまま、労働者がケガをしてしまうと重いペナルティが科されますので
必ず納めましょう。
会社設立後にやることリスト(ハローワーク)
↓以下の条件を満たす労働者は、雇用保険に加入させなくてはいけません。
- 1週間当たりの所定労働時間が20時間以上
- 31日以上継続して雇用される予定がある
↑パートやアルバイトの雇用形態に関わらず、
この条件を満たせば加入対象者になるので注意してくださいね。
(ただし、会社の代表者や取締役は対象外です)
1. 雇用保険適用事業所設置届
添付資料:履歴事項全部証明書、保険関係成立届(控)、概算保険料申告書(控)
労働基準監督署へ提出した書類の控えを添付します。
2. 雇用保険被保険者資格取得届
- 提出期限:雇入れ日の翌月10日まで
- 添付資料:労働者名簿、タイムカード
雇用保険番号が必要になりますが、雇用保険番号が不明な人は履歴書を提出しましょう。
履歴書から過去の職歴を辿って紐付けしてくれます。
会社設立後にやることリスト(年金事務所)
会社で雇用する従業員や役員は、すべて社会保険に加入させなくてはなりません。
これは、社長一人が個人事業主から法人なりするケースでも同じです。
(社長=役員として会社に雇用されているかたちになります)
具体的には健康保険と厚生年金に加入しますが、
これらの手続きは「年金事務所」で行うことになります。
1. 新規適用届
- 提出期限:雇入れ日から5日以内
- 添付資料:履歴事項全部証明書
代表者1名のみの会社でも提出が必要となりますので、
すべての会社で設立と同時に必ず行う手続きということになります。
2. 被保険者資格取得届
- 提出期限:雇入れ日から5日以内
- 添付資料:役員報酬の決定議事録を求められることがあります
保険証が発行されるまでの間、病院で受診する予定がある人は、
保険証の代わりとなる、「資格証明書」というものがあります。
年金事務所の窓口で申請するとその場で発行してもらえます。
3. 被扶養者異動届
家族を扶養している労働者を雇ったとき提出が必要です。
4. 国民健康保険・国民年金からの脱退手続き(市区町村役場で行う)
個人事業主として活動していた人は、
これまで国民健康保険と国民年金とに加入していたはずです。
法人化した後には、これらが健康保険と厚生年金に切り替わることになります。
ただし、この「切り替え」は自動的に行われるものではなく、
国民健康保険と国民年金からは「脱退の手続き」をしないといけないのです。
これらの手続きは市区町村役場で行います。
(国民健康保険と国民年金とで窓口が異なるので、
市役所についたら両方の窓口に順番にいく必要があります)
この「脱退手続き」を行っておかないと、保険料が二重で引き落とされてしまいますから注意してください。
ただし、二重で引き落とされた後に申請すればお金は返してもらうことが可能です。
その他の「会社設立後にやること」リスト
上では主に役所に対して行う手続き方法を解説しましたが、
↓会社設立後には以下のようなこともやっていく必要があります。
- 役員報酬額の決定
- 会計ソフトの導入
- 助成金や補助金の申請
- 名刺やハンコの作り替え
- 取引先や金融機関へのあいさつや連絡先変更の報告
会社設立は事業者にとっておめでたいことである一方で、
めんどうな手続きがぐっとふえるイベントでもあります。
まわりの支援やアドバイスを受けながらスムーズに完了したいところですね。
自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?
このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、
「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」
という状況の方が多いかと思います。
- まずは自力でなんとかしよう…
- とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
- 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…
↑こんなふうに考えながら、
コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。
ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、
少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。
なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、
税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。
(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)
注意してほしいのは、
税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。
事業や副業を始めて1年目〜3年目って、
事業者側も会計に慣れていなくて、
計算まちがいが生じていることって多いんですよね。
税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。
もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、
延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。
こういったリスクを避けるためにも、
「事業や副業を始めた最初の年度」から、
税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。
うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)
うちみたいな小さな規模のところには、
税理士なんてまだまだ早い…
↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。
私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。
「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。
ですが、小さい規模の事業者ほど、
「事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。
(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)
なぜかというと、
あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。
税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。
(これは誇張ではなく、リアルな話です)
実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや
副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、
事業を始めてまもないころに、
勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、
数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)
を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。
税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。
利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。
ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、
何年後かにいきなり税務調査がきて、
ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。
なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。
(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)
すでに事業や副業をスタートしている人なら、
少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。
「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります
税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、
使える補助金などの活用方法を教えてくれます。
利益がかなり出ている年に適切な節税対策ができれば、
「100万円以上も税金が安くなった…!」
なんてことも普通にありますよ。
創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。
(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)
節税対策や補助金を上手に活用できれば、
税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。
あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。
税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。
毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。
これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。
こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、
税理士費用の相場とかよくわからない方へ
「でも、税理士なんて知り合いにいないし、
そもそも税理士の料金相場とかさっぱりわからないんだけど…」
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