- 資本金を増やさないのはどういうとき?
- 資本金は多いほうがいい?目安はある?
- 多い場合のデメリットを知りたい!
資本金の額は会社の任意で決定することが多く、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
資本金は多すぎても少なすぎても経営に影響が出てきます。
この記事では、税理士業界で5年以上勤務している筆者が、
中小企業向けに資本金を増やさない理由や資本金が多い場合のデメリットをご紹介します。
資本金の金額設定で迷っている方は参考にしてください。
資本金を増やさない理由は?デメリット5選
資本金1000万円からは消費税の課税事業者となってしまう
会社設立後、2期目までは資本金額が1000万円未満の場合に、
消費税の納税義務が免除されることがあります。
しかし設立時の資本金が1000万円以上だと、設立1期目から課税事業者になってしまいます。
例えば年間売上高5,000万円・人件費2,000万・その他経費2,500万円の場合、
消費税の納税額は約250万円です。
(売上高5,000万円-その他経費2,500万円=2,500万円×消費税率10%
※給与は消費税の計算では控除されません)
経費の内容・設備投資の有無で納税額は大きく変わります。
事前に税理士と相談するようにしましょう。
法人住民税(均等割)の納付額が増える
法人税住民税(均等割)の金額は資本金額が多くなるにつれて納付額が増えます。
大阪府を例にみると、資本金等の額が1,000万円以下であれば20,000円、
1,000万円超~1億円以下であれば75,000円、
1億円超であれば260,000円を超えます。
資本金1,000万円以下に抑えるかどうかがひとつの目安です。
登録免許税の負担が増える
資本金が100万円以上になると公証役場に支払う定款認証の手数料が増えます。
具体的に100万円未満の場合3万円、
100万円以上300万円未満の場合4万円、
その他の場合5万円です。
また登録免許税は資本金の額が約2,100万円を超えると負担が増えます。
増資の場合、既存株主への配慮が必要
法人設立後に増資することで資本金を増やす場合は注意が必要です。
第三者割当増資の場合、第三者に対して新規に株式を発行して資本金を増やします。
そのため既存株主の1株当たりの価値が減少し、不利益が生じる可能性があります。
株主構成が変わってしまうことも気を付けるポイントです。
第三者が筆頭株主になり決定権を無くすケースもあるため、注意しましょう。
税理士顧問料が上がるケースも
例えば資本金1,000万を超えると消費税申告が必要になるので、
顧問料が2〜3万高くなることがあります。
また企業規模が大きくなると会計処理が多くなったり、
税務相談の内容も高度になったりしますので顧問料が上がるケースがあります。
資本金が多い場合のメリット
資本金が多いことはデメリットばかりではありません。
金融機関からの信用が得られたり、資金繰りをよくできるメリットもあります。
法人の信用力が高くなる
資本金が多いと会社に支払い能力があることを証明できるため、
会社の信用力アップにつながります。
法人設立当初は金融機関からの融資は難しいとされますが、
資本金が多いと金融機関からの印象が良くなり融資を受けやすくなりますよ。
設立当初の資金繰りが良くできる
法人設立当初は手続きに伴う諸費用や事業に必要な設備投資等、さまざまなことに資金が必要になります。
また売上を計上しても実際に代金を回収するまで時間がかかることもあります。
資本金が多ければその分使える事業資金も多くなるので、資金繰りを良くすることができます。
業種によってはまとまった額の資本金が必要な場合も
法人設立とほぼ同時期に許認可を取得したい場合は、
業種によっては財産要件を満たす必要があるので注意しましょう。
一般建設業許可であれば財産的基礎要件として500万円以上が必要です。
要するに資本金を500万円以上にする必要があるということですね。
運送業許可であれば、トラック5台分と人件費等の費用金額を確保する必要があります。
そのため資本金1,000万円を超える場合が多くなります。
資本金は経営状況や今後の事業展開を考えながら決めよう
資本金は多すぎると税金が余計にかかったり、経営の足かせになってしまうのがデメリットです。
逆に少なすぎると、会社の運営資金が不足して赤字決算をまねく可能性もあります。
一方で資本金が十分にあると、金融機関から信用されて融資受けやすくなるメリットもあります。
資本金の額を考える際は、税理士に相談するなどして今の経営状況や今後の事業展開も検討しましょう。
自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?
このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、
「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」
という状況の方が多いかと思います。
- まずは自力でなんとかしよう…
- とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
- 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…
↑こんなふうに考えながら、
コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。
ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、
少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。
なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、
税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。
(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)
注意してほしいのは、
税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。
事業や副業を始めて1年目〜3年目って、
事業者側も会計に慣れていなくて、
計算まちがいが生じていることって多いんですよね。
税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。
もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、
延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。
こういったリスクを避けるためにも、
「事業や副業を始めた最初の年度」から、
税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。
うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)
うちみたいな小さな規模のところには、
税理士なんてまだまだ早い…
↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。
私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。
「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。
ですが、小さい規模の事業者ほど、
「事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。
(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)
なぜかというと、
あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。
税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。
(これは誇張ではなく、リアルな話です)
実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや
副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、
事業を始めてまもないころに、
勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、
数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)
を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。
税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。
利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。
ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、
何年後かにいきなり税務調査がきて、
ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。
なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。
(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)
すでに事業や副業をスタートしている人なら、
少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。
「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります
税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、
使える補助金などの活用方法を教えてくれます。
利益がかなり出ている年に適切な節税対策ができれば、
「100万円以上も税金が安くなった…!」
なんてことも普通にありますよ。
創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。
(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)
節税対策や補助金を上手に活用できれば、
税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。
あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。
税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。
毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。
これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。
こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、
税理士費用の相場とかよくわからない方へ
「でも、税理士なんて知り合いにいないし、
そもそも税理士の料金相場とかさっぱりわからないんだけど…」
↑とはいえ、こんなふうにお悩みの方も多いでしょう。
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