定款には事業目的をたくさん記載するな!金融機関に評価される会社設立方法

事業目的 たくさん
(事業目的はたくさん記載しちゃダメ?)

 

  • 定款に事業目的をたくさん記載するのはよくない?
  • 将来やりたい事業がたくさんある場合は?
  • 許認可が必要な業種の場合はどう書くのが正解?

 

法人設立の手続きでは必ず「定款」を作成しますが、作成時にちょっと迷うのが「事業目的」の書き方ですよね。

少しでもリスクを小さくしよう…!と考えて、あれもこれもとたくさん事業目的を書く人も少なくないのですが、実はこれって避けた方が良いんです。

法律上、会社は「事業目的の範囲内で活動する」とされていますので、事業目的の書き方がまずいといろんなリスクがあるのに注意しなくてはいけません。

この記事では、会社設立時の定款に「事業目的をたくさん記載すること」がNGな理由を解説します。

これから法人設立手続きを行う事業者の方は参考にしてみてくださいね。

(担当ライター)

税理士事務所で11年間働いた後、一般企業の経理に転職してグループ会社3社の経理管理職をやっています(社長の確定申告などプライベートなことまでこっそりやってたりします)会計税務の他にも助成金活用や社会保険関連のリスク管理業務も得意。経営者むけの節税対策専門ライターとしても活動しています。

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会社の定款に「事業目的をたくさん記載する」がNGな理由3選

事業目的 たくさん
(事業目的をたくさん記載することがNGな理由3つ)

事業目的については「将来必要になるかもしれないから事業目的は多めに書いておこう」と考える人が多いようです。

私も2020年に独立し、法人設立をするときは同じように考えていました。

ですが「会社の本業が何かわからない」と銀行員の方から指摘を受けてしまい、結局は定款や登記簿謄本の事業目的を修正し、記載項目を減らすことになりました。

会社の定款に事業目的をたくさん記載することがNGな理由は以下の3つです。

  • 金融機関や取引先の評価が下がる
  • 公証人によるチェックが厳しくなる
  •  事業目的の変更には時間とお金がかかる

1. 金融機関や取引先の評価が下がる

法人設立時の事業目的をたくさん書いてしまうと、金融機関や取引先のあなたの会社に対する評価が下がってしまいます。

なぜなら、事業目的がたくさんあるために「なんの事業をしているか」が担当者には想像がつかないからです。

最近では行政サービスが充実し、法人の設立が簡単になりました。

簡単に法人が設立できるからこそ、事業目的がたくさんあるような会社は、ダミー会社やペーパーカンパニーと勘違いされやすいのです。

2. 公証人によるチェックが厳しくなる

法人を設立する際には、各地区の公証役場へ定款を提出します。

そのときにも金融機関と同じように「結局何の会社なの?」と指摘を受けてしまいます。

私も定款を作成し公証役場へ持参したのですが、公証人の方に「30個ほど事業目的があるけど、どれが本業ですか?基本的に1事業1法人が鉄則ですよ。」と指摘を受けてしまいました。

その場では、うまく説明をして定款の承認をしていただきましたが、疑いの目で見られてしまい、嫌な気分になったことを今でも覚えています。

3. 事業目的の変更には時間とお金がかかる

事業目的の変更をする際には、法人を設立した際の「定款」と「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」の記載内容変更が必要です。

定款と登記簿謄本の変更には、約1〜2週間の時間がかかります。

また、定款では「約3万円の登録免許税」の変更費用が必要です。

創業したばかりで3万円の出費はかなり痛手ですよね。

 

しかも、変更の際に必要な書類も「株主総会議事録」や「変更登記申請書」など多くの書類が必要です。

事業目的の変更のために資料を作成する時間は、素人にはわからないことが多く、開業時にはかなりムダと言えます。

結局は、司法書士などに依頼して数万円払うことになってしまいます。

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事業目的をたくさん網羅したい人がするべき3つのポイント

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(事業目的をたくさん網羅したい人がするべきこと3つ)

事業目的をたくさん網羅したい人がするべき3つのポイントを紹介します。

  • 本業を1番目に記載する
  • 前各号に付帯関連する一切の事業と記載する
  • 必要なときは後から追加する

1. 本業を1番目に記載する

事業目的をたくさん網羅したい人は、まず、あなたの本業だけを記載しましょう。

事業目的がなければ法人を設立する意味がありません。

たとえば、不動産事業であれば「不動産の売買、賃貸、仲介、管理」を1番目に記載するとよいでしょう。

2.前各号に付帯関連する一切の事業と記載する

本業に関連する事業目的を増やしたい場合は「前各号に付帯関連する一切の事業」という文言を入れておきましょう。

こうすることで、本業に関連する事業であれば、ある程度の範囲まで活動可能です。

もし、今後する予定の事業であれば明確に記載して構いません。

ポイントは「誰にどんな指摘を受けても説明できる項目」に絞って記載することです。

明確な計画の元に記載のある事業目的であれば、金融機関や取引先なども理解してもらえます。

3. 必要なときはあとから別会社を設立する

創業当時は「あの事業もするかもしれない」と心配になることも多いですが、法人設立時にその心配をする必要はありません。

なぜなら「今の会社の事業目的を増やす」よりも「別会社を設立したほうがよい」ケースがあるからです。

費用こそ掛かりますが、あとから別会社を設立すれば、事業目的ごとに会社を分けられ信用に傷がつくことはありません。

事業を新しく始めるときになってから、別会社を設立するか検討するようにしましょう。

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