定款には事業目的をたくさん記載するな!金融機関に評価される会社設立方法(開業税理士が執筆)

事業目的 たくさん
(事業目的はたくさん記載しちゃダメ?)

 

  • 定款に事業目的をたくさん記載するのはよくない?
  • 将来やりたい事業がたくさんある場合は?
  • 許認可が必要な業種の場合はどう書くのが正解?

 

法人設立の手続きでは必ず「定款」を作成しますが、作成時にちょっと迷うのが「事業目的」の書き方ですよね。

少しでもリスクを小さくしよう…!と考えて、あれもこれもとたくさん事業目的を書く人も少なくないのですが、実はこれって避けた方が良いんです。

法律上、会社は「事業目的の範囲内で活動する」とされていますので、事業目的の書き方がまずいといろんなリスクがあるのに注意しなくてはいけません。

この記事では、会社設立時の定款に「事業目的をたくさん記載すること」がNGな理由を解説します。

これから法人設立手続きを行う事業者の方は参考にしてみてくださいね。

【この記事を書いた人】文章を書くのが三度の飯より好きな40代前半の税理士ライターです。会計や税務について様々なメディアに寄稿しています。上場企業経理として10年勤務(税理士資格取得)後、税理士・執筆業として独立開業しました。税理士としては常時15社の顧客企業の税務を担当しています。

会社の定款に「事業目的をたくさん記載する」がNGな理由3選

事業目的 たくさん
(事業目的をたくさん記載することがNGな理由3つ)

事業目的については「将来必要になるかもしれないから事業目的は多めに書いておこう」と考える人が多いようです。

私も2020年に独立し、法人設立をするときは同じように考えていました。

ですが「会社の本業が何かわからない」と銀行員の方から指摘を受けてしまい、結局は定款や登記簿謄本の事業目的を修正し、記載項目を減らすことになりました。

会社の定款に事業目的をたくさん記載することがNGな理由は以下の3つです。

  • 金融機関や取引先の評価が下がる
  • 公証人によるチェックが厳しくなる
  •  事業目的の変更には時間とお金がかかる

1. 金融機関や取引先の評価が下がる

法人設立時の事業目的をたくさん書いてしまうと、金融機関や取引先のあなたの会社に対する評価が下がってしまいます。

なぜなら、事業目的がたくさんあるために「なんの事業をしているか」が担当者には想像がつかないからです。

最近では行政サービスが充実し、法人の設立が簡単になりました。

簡単に法人が設立できるからこそ、事業目的がたくさんあるような会社は、ダミー会社やペーパーカンパニーと勘違いされやすいのです。

2. 公証人によるチェックが厳しくなる

法人を設立する際には、各地区の公証役場へ定款を提出します。

そのときにも金融機関と同じように「結局何の会社なの?」と指摘を受けてしまいます。

私も定款を作成し公証役場へ持参したのですが、公証人の方に「30個ほど事業目的があるけど、どれが本業ですか?基本的に1事業1法人が鉄則ですよ。」と指摘を受けてしまいました。

その場では、うまく説明をして定款の承認をしていただきましたが、疑いの目で見られてしまい、嫌な気分になったことを今でも覚えています。

3. 事業目的の変更には時間とお金がかかる

事業目的の変更をする際には、法人を設立した際の「定款」と「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」の記載内容変更が必要です。

定款と登記簿謄本の変更には、約1〜2週間の時間がかかります。

また、定款では「約3万円の登録免許税」の変更費用が必要です。

創業したばかりで3万円の出費はかなり痛手ですよね。

 

しかも、変更の際に必要な書類も「株主総会議事録」や「変更登記申請書」など多くの書類が必要です。

事業目的の変更のために資料を作成する時間は、素人にはわからないことが多く、開業時にはかなりムダと言えます。

結局は、司法書士などに依頼して数万円払うことになってしまいます。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

事業目的をたくさん網羅したい人がするべき3つのポイント

事業目的 たくさん
(事業目的をたくさん網羅したい人がするべきこと3つ)

事業目的をたくさん網羅したい人がするべき3つのポイントを紹介します。

  • 本業を1番目に記載する
  • 前各号に付帯関連する一切の事業と記載する
  • 必要なときは後から追加する

1. 本業を1番目に記載する

事業目的をたくさん網羅したい人は、まず、あなたの本業だけを記載しましょう。

事業目的がなければ法人を設立する意味がありません。

たとえば、不動産事業であれば「不動産の売買、賃貸、仲介、管理」を1番目に記載するとよいでしょう。

2.前各号に付帯関連する一切の事業と記載する

本業に関連する事業目的を増やしたい場合は「前各号に付帯関連する一切の事業」という文言を入れておきましょう。

こうすることで、本業に関連する事業であれば、ある程度の範囲まで活動可能です。

もし、今後する予定の事業であれば明確に記載して構いません。

ポイントは「誰にどんな指摘を受けても説明できる項目」に絞って記載することです。

明確な計画の元に記載のある事業目的であれば、金融機関や取引先なども理解してもらえます。

3. 必要なときはあとから別会社を設立する

創業当時は「あの事業もするかもしれない」と心配になることも多いですが、法人設立時にその心配をする必要はありません。

なぜなら「今の会社の事業目的を増やす」よりも「別会社を設立したほうがよい」ケースがあるからです。

費用こそ掛かりますが、あとから別会社を設立すれば、事業目的ごとに会社を分けられ信用に傷がつくことはありません。

事業を新しく始めるときになってから、別会社を設立するか検討するようにしましょう。

自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

 

このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、

「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」

という状況の方が多いかと思います。

  • まずは自力でなんとかしよう…
  • とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
  • 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…

↑こんなふうに考えながら、

コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。

ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、

少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。

なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、

税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。

(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)

注意してほしいのは、

税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。

事業や副業を始めて1年目〜3年目って、

事業者側も会計に慣れていなくて、

計算まちがいが生じていることって多いんですよね。

税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。

もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、

延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。

こういったリスクを避けるためにも、

「事業や副業を始めた最初の年度」から、

税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。

>>税理士費用の相場がいくらぐらいか?を知りたい人へ

うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)

(自力で税金計算!…は実は「超危険」です)

うちみたいな小さな規模のところには、

税理士なんてまだまだ早い…

↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。

私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。

「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。

ですが、小さい規模の事業者ほど、

事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。

(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)

なぜかというと、

あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。

税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。

(これは誇張ではなく、リアルな話です)

実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや

副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、

事業を始めてまもないころに、

勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、

数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)

を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。

税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。

利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。

ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、

何年後かにいきなり税務調査がきて、

ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。

なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。

(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)

すでに事業や副業をスタートしている人なら、

少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。

>>自社の近所で「最安値の税理士事務所」を知る方法

「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります

(節税対策や補助金活用で100万円以上のお金が返ってくることもあります)

 

税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、

使える補助金などの活用方法を教えてくれます。

利益がかなり出ている年に適切な節税対策ができれば、

「100万円以上も税金が安くなった…!」

なんてことも普通にありますよ。

創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。

(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)

節税対策や補助金を上手に活用できれば、

税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。

あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。

税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。

毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。

これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。

こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、

私たち事業者は売上を少しでも増やすことに集中しましょう。

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税理士って、地域によって料金相場がまったく違うので注意してください。

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