
- 税理士と契約解除したいけどトラブルは避けたい。
- 顧問契約の際に書面を交わしていなかったから、トラブルになってしまった!
- 顧問契約を解除するときはどんなことに注意すればいいの?
お世話になっている税理士に契約解除を言い伝えるのは、とても勇気がいることですよね。
しかしポイントを押さえておかないと大きなトラブルにも発展しかねません。
この記事では、税理士と契約解除を行うときに起きる失敗例について説明をします。
注意するべきポイントについても詳しく解説をしますので、税理士との契約に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
税理士との顧問契約解除でよくあるトラブル事例

1. 契約書がない場合で契約をしてしまう
税理士との顧問契約解除でよくあるトラブル事例が、契約書を締結していないことです。
契約をおこなうのが面倒、印紙代がもったいないなどの理由で契約を締結しておらず、
いざ契約解除をしたいときに、契約解除時のルールがないという事態に陥ってしまいます。
契約解除段階になれば、なるべく自分が有利になるようにしたいですよね。
しかし、「契約解除はいつまでに伝えればいいのか」「顧問料を前払いで支払っている場合は返金義務があるのか」など、
書面にしていないため、互いが主張を譲らずトラブルになりかねません。
2. 契約解除通知が口頭の場合で言った言わないの状態になってしまう
口頭で伝えた際に認識の齟齬が生じてしまうこともよく起きるトラブルのひとつです。
契約解除について今月末や来月末までと伝えたつもりが、伝わっていないというケースがあります。
その結果、契約解除時期がはっきりとせずトラブルになりかねません。
3. 契約解除がはっきりと伝えられない場合で解除できなくなってしまう
次によくあるトラブル事例が、契約解除をしたいけど言い出せないということです。
「税理士の態度が悪い」「コスパがよくない」などのネガティブな理由であれば、契約解除を言いだしやすいですよね。
しかし、「会社の経営状況が悪くコスト削減をしなければならない」「社長のコネのある税理士と契約を結ぶことになった」など
税理士に落ち度がない場合、契約解除を伝えづらいものです。
その結果、契約解除を言いだせず急に契約解除を伝えてしまうということになるとトラブルになりかねません。
税理士と契約解除したい!スムーズに解除する方法

1. 契約解除時の条件を確認する
契約解除のときは、確認書などを用意しておくことが重要です。
通知はいつまでにおこなえばいいのか、顧問料負担はいつまであるのか、
自社所有ではなく税理士事務所の会計ソフトを使用している場合、データはどうなるのかなどです。
通知や顧問料負担に関しては、契約書を締結していれば改めて契約書を確認してそのとおりに対応をすればよいです。
会計ソフトデータが税理士事務所所有の場合は、契約解除をしてしまうと使用できなくなります。
したがって、契約解除をする前にデータをすべてダウンロードしておく必要があります。
新しい会計ソフトを使用する際にダウンロードデータがあれば、インポートができる場合がほとんどです。
自分でできなくても、新しい顧問先の税理士やクラウドソーシングサイトなどでも依頼ができますので、
データのダウンロードさえしておけば、問題ないでしょう。
2. 契約解除したい明確な理由を用意しておく
税理士と契約解除をする際には、契約解除をしたい明確な理由を用意しておく必要があります。
理由なく契約解除を伝えても、税理士側が納得してくれるとは思えません。
契約解除をスムーズにおこなうためにも、明確な理由をはっきりと伝えることが重要です。
昔からの知人が税理士になったため、海外で事業を展開したいので海外に強い税理士と契約をするためなどのポジティブな理由がよいでしょう。
以前から税理士に対して不満がある場合は契約解除の際に不満を言いたくもなりますが、
トラブルの回避、スムーズな契約解除ということが目的ですので、言わないほうが無難です。
税理士が契約解除の理由を聞いた際に、そうであれば仕方がないと思えるような理由を用意しておきましょう。
互いに社会人同士ですので、円満な契約解除をおこなうことが重要です。
3. 後任税理士をあらかじめ見つけておく
たとえ税理士との顧問契約を解除しても、日々の会計や経理の作業はしていかなくてはいけません。
税理士との顧問契約解除を検討し始めたのと同じタイミングで、後任の税理士探しもスタートしましょう。
(税理士との顧問契約を解除し、その後放置してしまって経理がどんどんいい加減になっていく…というのは、よくある話なので注意しましょう)
金融機関との付き合いがある人は、毎月の試算表提出が遅れてしまったら信用失墜となりかねません。
金融機関との付き合いがなくとも、経営者として自社の正確な経営成績を把握できなくなるのは致命的なことですから、少しでも早いタイミングで後任の税理士を探していく必要があります。
いまの顧問税理士が不満でイライラしている人へ
- 税理士に払う決算料が高すぎる(20万円以上払っている)
- いきなり顧問料の値上げ交渉をされてモヤモヤ…。
- 決算直前なのに、節税対策の提案が何もない…。
- 担当者がしょっちゅう変わってそのたびにミスをする。
- とにかく連絡が遅い。なんだかエラそう。
- 新人や若手の無資格職員にばかり担当される。
- うちの会社の仕事内容をぜんぜん理解していない…。
↑税理士事務所と顧問契約しているけど、
こんなふうにイライラを感じている方、
きっと多いのではないでしょうか。
私自身も副業時代→自営業と、
かなり長いこと税理士とつきあっていますが、
以前にあまりにもストレスがたまったので、
税理士との契約を解除をしたことがあります。
現在お願いしている税理士事務所は2社目なんですが、
変更前の1社目の税理士は、
とにかく毎月監査で会うたびにモヤモヤ…でした。
基本的なことでしょっちゅうミスをするし、
とにかく何を聞いてもレスポンスが遅い。
はっきり言って「この程度のサービスに月数万円も顧問料払う価値ないだろ…」と思ってましたね。
ただ、「税理士をいきなり変えたら、税務署ににらまれたりするのかも…?」っていう不安もあって、
なかなか契約解除まではふみ切れてなかったんですよね。
(↑実際には税務署はこんなこと気にもしてないみたいです。それも新しい税理士さんに教えてもらいました)
それでもある日、
どうしても「この連中に、貴重な事業資金を毎月払うのは痛すぎる」と限界を感じ、
ついに契約解除の連絡をし、別の税理士に変更しました。
今から考えたら、さっさとやればよかったです…。
私たち経営者(自営業者)にとって、
税理士って「自分の財布の中身を全部見せる相手」です。
相性の良い税理士が担当してくれたら、
会社を成長させる最高のパートナーになってくれますが、
そうでない税理士だと、最悪の場合は会社をつぶされることにもなりかねません。
今の税理士にモヤモヤするものを少しでも感じているなら、
別の税理士に変更することも検討した方が絶対に良いですよ。
税理士との相性ってどうしてもありますし、
担当してくれる税理士によって、
アドバイスしてくれる内容がまったく違ったりしますからね。
優秀な税理士の中には、
税理士の顧問先の中から得意先の紹介を積極的にやってくれたり、
数百万円単位の節税対策や、
助成金利用を親身にアドバイスしてくれたりします。
特に、節税対策や助成金は「利用できる期限」がかなり厳しく決まっていることが多いです。
顧問の税理士が提案してくれなかったせいで、
本来なら利用できたはずの助成金が期限切れになっていた…。
とかになると最悪ですからね。
(こういうことって普通にあります)
1円でも損をしたくない経営者は、税理士選びはしっかりやりましょう。
しっかり稼いでる優秀な自営業者ほど、
税理士を上手に活用しているものです。
わざわざ契約解除したのに、新しい税理士もダメダメ…なんてリスクを避けるために
↓ただ、以下のように感じている人も多いでしょう。
「今の税理士に不満があるけど、
今後の経理や税金申告を考えると、
なかなか契約解除まではふみ切れない…。
わざわざ今の税理士と顧問契約を解除したけど、
新しい税理士も結局ダメダメで、
これなら以前の税理士の方がまだマシだった…。
なんて事態になったら最悪すぎるし…」
↑こんな感じで不安がある方は、
とりあえず「いろんな税理士事務所を見てみる」のがおすすめです。
具体的には、無料の税理士紹介サービスを活用すると良いですよ。
自社の近所にある税理士事務所からまとめて見積もりを取れるので、
近隣で最安値のところを選べますし、
担当してくれる税理士との相性を確認しながら、
最終的にベストの1社にしぼることができます。
私も以前の税理士事務所との顧問契約解除を検討し始めたときに、
(無料で使えます)
その後、結局この紹介サービスに今の税理士さんを紹介してもらい、現在に至ります。
この手の一括見積もり的なサービスって、
中古車査定とか引越し業社とかで利用したことがあって、
電話連絡がしつこいイメージがあったんですが、
こちらの税理士紹介サービスについては、
そういうしつこい連絡はいっさいなかったです。
(基本的に連絡はメールで、ZOOMリモートで税理士と面談)
↓女性の担当者さんでしたが、
こちらのニーズに合わせておすすめの税理士事務所をメールで提案してくれて、
ストレスはなかったですよ。

ただし、この手の紹介サービスは「こちら側のニーズ」をしっかり把握してもらわないと、
提案してくれる税理士事務所もミスマッチになりがちなので注意してください。
自社の業種業界や企業規模、
想定している顧問料のイメージなどについては、
サイト内でしっかりめに入力しておくのが良いでしょう。
最後の最後にお伝えしたいこと(同じ自営業者として)
私たち自営業者は、
どんなに不満があっても、税理士を使わないわけにはいきません。
(副業サラリーマンでも、個人事業主でも、法人化してる社長でも)
「税理士と顧問契約せずに自力で経理をやって、申告も自力でやる…」とかはさすがに現実的ではないですからね。
(↑もしこれ本当にやっちゃうと、税務調査がしょっちゅうくる…みたいな状態になるので注意)
それでいて、ヘンな税理士にあたってしまうと、下手すりゃ会社をつぶされます。
そこまでいかなくても毎月顔を合わせる相手なので、
モヤモヤと不満を感じながらやりとりするのってめっちゃストレスですよね。
申請期限が決まっている節税対策や助成金を見逃したり、
銀行融資の条件がいきなり悪くなったり…。
みたいな不利益を被ることもあり得ます。
こういう損をしないためにも、
税理士選びは慎重に行うようにしましょう。
(選択肢の候補をたくさん持つことがたいせつ)
ひとむかし前までは、
税理士は「友達の社長から紹介してもらう」とか、
「近所で見かけたカンバンのところに依頼する」とかが普通でした。
ですが、ネットで無料で使える紹介サービスがたくさんある現在は、
こういうリスクの多い方法で税理士を選ぶ必要はなくなっています。
税理士紹介サービスは、税理士を何件紹介してもらっても無料です。
少なくとも10社ぐらいは候補を出してもらって、
近隣の税理士顧問料相場をきちんと把握し、
↓ベストマッチな税理士事務所を選ぶようにしましょう。
