- 一人で会社を作るって結局正解なの?
- 個人事業主から法人化することのメリットって?
- 法人化したら会計処理が面倒になる?
一人社長として事業を営む方の悩みのひとつとなるのが、法人化するかどうかということです。
しかし、一度法人化すると簡単には個人事業主に戻れないことから、踏み出せずにいる事業主の方も多いことでしょう。
会社を作ることでさまざまなメリットが得られますが、一方でデメリットとして考慮すべき点もあります。
法人化を視野に入れるなら、両方の側面を理解しておかなければなりません。
この記事では、一人社長が法人化することのメリット・デメリットについて解説します。
法人化して事業を拡大していきたい方は、参考にしてみてください。
一人で事業やってる社長は会社を作るべき?
一人で事業をやっている人は、多くいると思います。
では、そういった人は個人事業主でやるべきでしょうか?
それとも一人でも会社を作るべきでしょうか?
結論としては、事業の売上がどれくらいあるか、儲かっているかによります。
以下、一人で会社を作るメリットとデメリットを解説いたします。
一人社長の個人事業主が会社を作るメリット
1.節税対策ができる
一人社長が法人化するメリットのひとつが、節税対策ができる点です。
その理由が、税率の決まり方にあります。
個人の所得税は超過累進税率であり、所得が多くなればなるほど税率も上がる仕組みとなっています。
一方で法人は、資本金が1億円以下であれば、税率は2段階です。
所得が800万円以下であれば15%で、所得が800万円を超える部分は23.2%となります。
例えば所得が800万円の場合、個人事業主の所得税率は695万円以上の部分は23%ですが、
法人の所得税率は15%しかかからないのです。
単純比較にはなりますが、法人の方が税率が低いと判断できますよね。
消費税でも法人化で節税対策ができる
個人事業主の場合、売上が1,000万円を超えると、翌々年度から消費税の課税事業者になります。
一人社長となることで、法人税だけでなく消費税の節税になることもあるのです。
2. 社会保険料のコントロールができる
一人社長が法人化することで、社会保険料がコントロールできるというメリットもあります。
個人の場合、社会保険は所得比例ですが、法人から役員報酬を支給される場合は、定額となります。
所得が800万円の場合で比較してみましょう。
個人事業主の場合、社会保険料は約92万円です。
一方、法人から役員報酬を月額65万円支給されていると想定すると、社会保険料の個人負担分は、約110万円となります。
また、法人は、個人と社会保険料の負担が折半となるため、負担額は2倍となります。
ここまで単純比較すると、「法人のほうが社会保険料の負担が大きいのでは?」と思うかもしれませんね。
さらに、国民健康保険の場合、家族が多ければ多いほど均等割等で負担が増えますが、法人の社会保険は、扶養家族がいても負担は変わりません。
また、不動産賃貸収入などから生活に困らない程度の収入を得ている場合は、
役員報酬をあえて低くし、社会保険料を抑えるという方法もあるでしょう。
このように、個人事業主の場合には社会保険の選択肢は狭まりますが、
法人となることでさまざまな角度から考慮することができるのです。
3. 経費にできる支出が増える
一人で会社を作った場合、経費にできる支出が増えることもメリットです。
経費にできる支出の代表例が、
- 生命保険や介護保険等の保険料
- 会社名義の社宅の家賃
などです。
どれだけ保険料を支払っていても、最高で12万円の所得控除となります。
一方で法人の場合は、契約内容にもよりますが、支払った分を全額損金算入または半額を損金算入することができます。
会社名義の社宅の場合、支払った家賃を経費にすることも可能です。
正確には、社宅ですので、自己負担7割、会社負担3割という形にし、家賃の3割分を経費にするということになります。
4. 信用力が高まる
一人で会社を作ることで、信用力が高まります。
個人では取引できなかった顧客とも、法人になれば取引ができるようになることもありますし、
銀行融資や物件の賃貸の審査も通りやすくなるでしょう。
結果として、事業経営もうまく軌道に乗ることが期待できます。
一人社長の個人事業主が会社を作るデメリット
会計や税務申告の手間は大幅に増える
一人で会社を作るデメリットは、会計や税務申告の手間が大幅に増えることです。
したがって、一人会社を作るのなら、今まで個人の確定申告は自力でやっていたという人も税理士に委託するのがよいでしょう。
個人の確定申告は、国税庁の確定申告作成コーナーがありますが、法人にはありません。
申告ソフトの購入をしないといけないため、そのコストは税理士を雇うコストに充てた方が賢明です。
税理士であれば、法人税の申告ソフトは当然使用しています。
会計処理や給与計算、申告を丸ごとお任せすることで本業に集中できるため、
コストはかかるものの、結果としてメリットになるでしょう。
自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?
このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、
「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」
という状況の方が多いかと思います。
- まずは自力でなんとかしよう…
- とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
- 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…
↑こんなふうに考えながら、
コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。
ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、
少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。
なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、
税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。
(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)
注意してほしいのは、
税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。
事業や副業を始めて1年目〜3年目って、
事業者側も会計に慣れていなくて、
計算まちがいが生じていることって多いんですよね。
税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。
もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、
延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。
こういったリスクを避けるためにも、
「事業や副業を始めた最初の年度」から、
税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。
うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)
うちみたいな小さな規模のところには、
税理士なんてまだまだ早い…
↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。
私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。
「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。
ですが、小さい規模の事業者ほど、
「事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。
(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)
なぜかというと、
あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。
税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。
(これは誇張ではなく、リアルな話です)
実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや
副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、
事業を始めてまもないころに、
勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、
数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)
を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。
税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。
利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。
ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、
何年後かにいきなり税務調査がきて、
ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。
なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。
(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)
すでに事業や副業をスタートしている人なら、
少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。
「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります
税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、
使える補助金などの活用方法を教えてくれます。
利益がかなり出ている年に適切な節税対策ができれば、
「100万円以上も税金が安くなった…!」
なんてことも普通にありますよ。
創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。
(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)
節税対策や補助金を上手に活用できれば、
税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。
あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。
税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。
毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。
これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。
こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、
税理士費用の相場とかよくわからない方へ
「でも、税理士なんて知り合いにいないし、
そもそも税理士の料金相場とかさっぱりわからないんだけど…」
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