- 税理士のミスが発覚…。これってよくあること?それとも手抜き?
- 税務調査で追徴課税が出たら、税理士に損害賠償請求できるの?
- 税理士にとことん責任追及をしたい…!どうすればいいの?
経営者にとって、税理士は大切な経営パートナーですよね。
しかし、税理士のミスによって、経営に大きな影響を受けるようなケースは実はめずらしくありません。
この記事では、税理士にミスや間違いが発覚したときの対処法について説明をします。
「さすがにこういうのは責任追及できない」という場合についても解説をしているので、参考にしてみてください。
税理士のミス・間違いで損害賠償請求できる場合
1. 必要な届出を出していないケース
税理士のミス・間違いで損害賠償を請求できるのは消費税課税事業者の選択など、
届出を出していないことにより、還付を受けることができないなどの損害を受けた場合です。
実際に訴訟があった例として、
税理士が課税事業者選択届出書提出の失念(平成10年11月26日判決東京地裁)や
消費税簡易課税制度選択についての注意義務違反(平成13年10月30日判決東京地裁)などがあります。
特に消費税関連は届出が複数ありますので、注意をしましょう。
2. 明らかな税理士のミスのケース
明らかな税理士のミスの場合も責任を問うことができます。
計算ミスや申告書の別表4に入れるべき事項を入れていなかったなど、
申告ミスであれば、税理士の責任といえます。
その他にも中間納付で納めた金額を入れていないことや
源泉徴収済みの金額を入れていないこと、控除すべき税金を控除せずに申告を進めてしまったことなどがあげられます。
更正の請求で申告書を提出しなおせば、納めすぎた税金は還付される可能性があります。
しかし、申告期限から5年を経過してしまうと更正の請求もできなくなるため、
誤納した税金が多額であれば、税理士に責任をとってもらうべきでしょう。
3. 同意なしに税理士が勝手に処理をしたケース
同意なしに税理士が勝手に処理をしてしまった場合も損害賠償の対象となります。
本来、納税義務は税理士ではなく、会社や個人にあります。
それにも関わらず税理士が独自の判断で申告をしてしまった場合、
税理士が勝手に申告をしたと言われても仕方がありません。
納税者がすべて税理士にお任せすると事前に言っていても、申告前に申告書は見せるべきです。
税理士のミス・間違いで損害賠償請求できない場合
1. 訴訟代の方が高くつく場合
ちょっとしたミスの場合、損害賠償を起こすよりも話し合いで解決できることがあります。
納税者からすれば、ミスして失った金額を補填してくれれば問題は解決ですよね。
そのための行動は訴訟だけではないはずです。
仕訳ミスにより、費用計上を来期にしてしまったことや単純な計上漏れのミスであれば、
被害額は僅少です。
こういった場合は、交渉で解決するケースがほとんどです。
顧問料と相殺する方法で補填をしてもらうことや、顧問料を値引きしてもらうなどをしてもらいます。
税理士と関係性を維持しつつも、ミス分はきっちり補填してもらいたいという場合は、
こういった行動をとるとよいでしょう。
2. 同意の上で税理士が処理をした場合
グレーな処理を税理士と同意したなどリスクを承知したうえでの処理は、
税理士に責任を問うことはできません。
還付を受けるために課税事業者になることや家事関連費の事業比率を上げるなど、
事業か個人の経費か判断が難しいものを経費に入れたりするなどが代表的なものです。
しかしながら知識の少ない自営業者の場合、そもそも自分が何に同意をしてしまったのかを理解していないケースもあります。
税理士の説明に対し、理解をしたうえで同意をすることが重要です。
3. 税理士に重要なことを伝えていない場合
税理士に情報を伝えていない場合も責任を問うことは難しいです。
棚卸しの数字を間違えて伝えたなど、自分自身のミスは税理士に責任転嫁することはできません。
税理士も確認事項はリスト化して質問をしてくると思います。
しかしながら、自分自身も情報は税理士に積極的に共有することが大切です。
結果として、それが自分自身も身を守ることになります。
ミスや間違いが多い税理士と顧問契約を続けるデメリット
ミスや間違いが多い税理士と顧問契約を続けるデメリットは、何よりも「安心して任せられないこと」です。
税理士は経営のパートナーです。
また、数字のプロですので間違いは許されません。
税理士が納税予測を見誤ったなど思いがけない出費で資金繰りに苦しむことは、
経営者にとって耐え難いことです。
こういう「不安」を与えている時点で税理士は失格といえます。
税理士は数字のプロですので、経営者に会計や税金の面で不安を与えないことが仕事です。
ミスが多い税理士と感じたら、税理士の交代も視野に入れましょう。
それが、事業を発展させるきっかけになるかもしれません。
いまの顧問税理士が不満でイライラしている人へ
- 税理士に払う決算料が高すぎる(20万円以上払っている)
- いきなり顧問料の値上げ交渉をされてモヤモヤ…。
- 決算直前なのに、節税対策の提案が何もない…。
- 担当者がしょっちゅう変わってそのたびにミスをする。
- とにかく連絡が遅い。なんだかエラそう。
- 新人や若手の無資格職員にばかり担当される。
- うちの会社の仕事内容をぜんぜん理解していない…。
↑税理士事務所と顧問契約しているけど、
こんなふうにイライラを感じている方、
きっと多いのではないでしょうか。
私自身も副業時代→自営業と、
かなり長いこと税理士とつきあっていますが、
以前にあまりにもストレスがたまったので、
税理士との契約を解除をしたことがあります。
現在お願いしている税理士事務所は2社目なんですが、
変更前の1社目の税理士は、
とにかく毎月監査で会うたびにモヤモヤ…でした。
基本的なことでしょっちゅうミスをするし、
とにかく何を聞いてもレスポンスが遅い。
はっきり言って「この程度のサービスに月数万円も顧問料払う価値ないだろ…」と思ってましたね。
ただ、「税理士をいきなり変えたら、税務署ににらまれたりするのかも…?」っていう不安もあって、
なかなか契約解除まではふみ切れてなかったんですよね。
(↑実際には税務署はこんなこと気にもしてないみたいです。それも新しい税理士さんに教えてもらいました)
それでもある日、
どうしても「この連中に、貴重な事業資金を毎月払うのは痛すぎる」と限界を感じ、
ついに契約解除の連絡をし、別の税理士に変更しました。
今から考えたら、さっさとやればよかったです…。
私たち経営者(自営業者)にとって、
税理士って「自分の財布の中身を全部見せる相手」です。
相性の良い税理士が担当してくれたら、
会社を成長させる最高のパートナーになってくれますが、
そうでない税理士だと、最悪の場合は会社をつぶされることにもなりかねません。
今の税理士にモヤモヤするものを少しでも感じているなら、
別の税理士に変更することも検討した方が絶対に良いですよ。
税理士との相性ってどうしてもありますし、
担当してくれる税理士によって、
アドバイスしてくれる内容がまったく違ったりしますからね。
優秀な税理士の中には、
税理士の顧問先の中から得意先の紹介を積極的にやってくれたり、
数百万円単位の節税対策や、
助成金利用を親身にアドバイスしてくれたりします。
特に、節税対策や助成金は「利用できる期限」がかなり厳しく決まっていることが多いです。
顧問の税理士が提案してくれなかったせいで、
本来なら利用できたはずの助成金が期限切れになっていた…。
とかになると最悪ですからね。
(こういうことって普通にあります)
1円でも損をしたくない経営者は、税理士選びはしっかりやりましょう。
しっかり稼いでる優秀な自営業者ほど、
税理士を上手に活用しているものです。
わざわざ契約解除したのに、新しい税理士もダメダメ…なんてリスクを避けるために
↓ただ、以下のように感じている人も多いでしょう。
「今の税理士に不満があるけど、
今後の経理や税金申告を考えると、
なかなか契約解除まではふみ切れない…。
わざわざ今の税理士と顧問契約を解除したけど、
新しい税理士も結局ダメダメで、
これなら以前の税理士の方がまだマシだった…。
なんて事態になったら最悪すぎるし…」
↑こんな感じで不安がある方は、
とりあえず「いろんな税理士事務所を見てみる」のがおすすめです。
具体的には、無料の税理士紹介サービスを活用すると良いですよ。
自社の近所にある税理士事務所からまとめて見積もりを取れるので、
近隣で最安値のところを選べますし、
担当してくれる税理士との相性を確認しながら、
最終的にベストの1社にしぼることができます。
私も以前の税理士事務所との顧問契約解除を検討し始めたときに、
(無料で使えます)
その後、結局この紹介サービスに今の税理士さんを紹介してもらい、現在に至ります。
この手の一括見積もり的なサービスって、
中古車査定とか引越し業社とかで利用したことがあって、
電話連絡がしつこいイメージがあったんですが、
こちらの税理士紹介サービスについては、
そういうしつこい連絡はいっさいなかったです。
(基本的に連絡はメールで、ZOOMリモートで税理士と面談)
↓女性の担当者さんでしたが、
こちらのニーズに合わせておすすめの税理士事務所をメールで提案してくれて、
ストレスはなかったですよ。
ただし、この手の紹介サービスは「こちら側のニーズ」をしっかり把握してもらわないと、
提案してくれる税理士事務所もミスマッチになりがちなので注意してください。
自社の業種業界や企業規模、
想定している顧問料のイメージなどについては、
サイト内でしっかりめに入力しておくのが良いでしょう。
最後の最後にお伝えしたいこと(同じ自営業者として)
私たち自営業者は、
どんなに不満があっても、税理士を使わないわけにはいきません。
(副業サラリーマンでも、個人事業主でも、法人化してる社長でも)
「税理士と顧問契約せずに自力で経理をやって、申告も自力でやる…」とかはさすがに現実的ではないですからね。
(↑もしこれ本当にやっちゃうと、税務調査がしょっちゅうくる…みたいな状態になるので注意)
それでいて、ヘンな税理士にあたってしまうと、下手すりゃ会社をつぶされます。
そこまでいかなくても毎月顔を合わせる相手なので、
モヤモヤと不満を感じながらやりとりするのってめっちゃストレスですよね。
申請期限が決まっている節税対策や助成金を見逃したり、
銀行融資の条件がいきなり悪くなったり…。
みたいな不利益を被ることもあり得ます。
こういう損をしないためにも、
税理士選びは慎重に行うようにしましょう。
(選択肢の候補をたくさん持つことがたいせつ)
ひとむかし前までは、
税理士は「友達の社長から紹介してもらう」とか、
「近所で見かけたカンバンのところに依頼する」とかが普通でした。
ですが、ネットで無料で使える紹介サービスがたくさんある現在は、
こういうリスクの多い方法で税理士を選ぶ必要はなくなっています。
税理士紹介サービスは、税理士を何件紹介してもらっても無料です。
少なくとも10社ぐらいは候補を出してもらって、
近隣の税理士顧問料相場をきちんと把握し、
↓ベストマッチな税理士事務所を選ぶようにしましょう。