役員報酬は会社利益の何パーセントが相場?節税したい経営者必見!(開業税理士が執筆)

役員報酬はどうやって決める?
  • 会社の役員報酬はどのくらいが適している?
  • 利益に対して何%など、目安はある?
  • 役員報酬の相場が知りたい!

役員報酬の決め方に迷っている会社は多いです。

不透明な報酬だと社員からの不満の声が上がり、長期的な経営に支障が出る場合もあります。

この記事では、税理士法人に勤め日頃から企業の相談に乗っている筆者が、

役員報酬の相場や金額決定の考え方をご説明します。

役員報酬の金額設定に迷っている方は参考にしてください。

【この記事を書いた人】文章を書くのが三度の飯より好きな40代前半の税理士ライターです。会計や税務について様々なメディアに寄稿しています。上場企業経理として10年勤務(税理士資格取得)後、税理士・執筆業として独立開業しました。税理士としては常時15社の顧客企業の税務を担当しています。

役員報酬は会社利益の何パーセントが相場?

役員報酬の相場はある?

中小企業の場合、上場企業とは違って決算書の公開義務がありません。

そのため「利益に対する役員報酬の割合」は残念ながらデータがないのが実情なのですが、

「売上高に対する役員報酬の割合」については「TKC経営指標」というデータがあります。

このデータの令和4年版によると、黒字決算となっている会社の売上高に対する役員報酬の割合は以下の通りです。

  • 製造業:8%
  • サービス業で13%
  • 医業で30%前後

また、国税庁の調査では、事業規模別株式会社の役員報酬(給料・手当)平均値は下記の金額となっています。

  • 資本金2,000万円未満:約593万円
  • 資本金2,000万円以上:約853万円

出典:国税庁_標本調査結果_民間給与実態統計調査結果

一般的に、資本金の額が大きいほど役員報酬は高くなる傾向があります。

全体の統計データにもとづいて役員報酬額を決めるのは疑問

ただ、こうした「全体のデータ」を参考にすべきか?というとちょっと考えものです。

少なくとも「自社の役員報酬をいくらにするか?」考える場面で、

こうした統計的な数字をみることにはあまり意味がありません。

役員報酬の割合は会社によって経営方法に違いがありますし、役員個人のプライベート事情もさまざまです。

そのため実務では「会社利益の何%を役員報酬にする」という決め方はほとんどしません。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

役員報酬の決め方

利益予想をもとに決めよう

まず役員が個人の生活でどの程度の金額を必要としているか?を検討したうえで、

法人の利益予想を基に税金や社会保険の負担が少なくなるよう調整することが大切です。

ここでは役員報酬の金額を決める際の基本的な考え方を説明していきます。

会社の損益とのバランスを見て決める

業績が伸びて利益が出ていれば役員報酬を増額しますが、

業績が低迷しているのに増額するわけにはいきません。

ここで目安となるのが、法人税の税率が上がる800万円のボーダーラインです。

  • 800万円未満:15~19%
  • 800万円以上:23.5%

出典:国税庁_法人税の税率

しかし、税率が下がるからと役員報酬を高くしすぎると、役員個人の所得税が上がります。

反対に事業が好調な時に低く設定しすぎた場合、法人税が高くなってしまうこともあるでしょう。

そのため税理士に相談しながら次年度の利益予測を立て、

損益とのバランスを見てから役員報酬を決めるケースが多いです。

家族経営のケース

ここでは家族経営特有の役員報酬の考え方をお伝えします。

家族経営の会社の場合、配偶者や家族への所得分配を検討することが可能になります。

一般的に、所得は分配するほど税金の負担は小さくなります。

例えば、1000万円の役員報酬を社長1人に支給するよりも、

社長に700万円・配偶者に200万円・子供に100万円といったように分けた方が家族全体で負担する税金は小さくなるのです。

ただし、役員報酬は受け取った人自身の給与所得になることに注意しましょう。

役員報酬の金額が大きすぎると、家族自身が負担する所得税や住民税の金額が大きくなってしまいます。

住宅ローンや年金との兼ね合いを見て決める

住宅ローン控除を適用している場合や子供の授業料補助を受けている場合、

社長の年齢が65歳以上の場合は所得制限が設けられていることがあるため、注意が必要です。

役員報酬を増額したのに制度が適用できず、

総合的にみると手取りが減って損することが無いように気を付けましょう。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

役員報酬を決める際の注意点

役員報酬を決めるときのポイントをご紹介

役員報酬を決める際の注意点は、年に一度しか変更できないこと、

役員個人の保険料負担が増えることです。

順番にご説明します。

役員報酬額は「年に一度」しか変更できない

役員報酬を損金にするには期首から3ヶ月以内に変更をしなくてはいけません。

この時期を過ぎて金額変更すると、増額・減額した金額は経費として計上できなくなります。

(会計上の「経費」と法人税を計算する際の「損金」は異なりますが、ここでは同じものと考えて問題ありません)

役員報酬の金額や変更時期は重要です。

必ず事前に税理士などに相談するようにしましょう。

社会保険料の負担増にも注意!

役員報酬が増えると、役員個人が負担する社会保険料の金額も増えます。

社会保険料は標準報酬月額で決まり、階段式で増加していきます。

役員報酬額が変更になるたびに、年金事務所へ届出が必要になります。

役員個人の社会保険料や税金、その他の手続き等にも注意しましょう。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

役員報酬額は「決定前のシミュレーション」が大切

税理士への相談も大切

法人では、決められた時期に役員報酬を決めなくてはいけません。

また変更できるのも年に1度だけです。

個人事業主のように、自分が使うお金を自由に引き出して支給することはできません。

健全な経営をするためにも、税理士に相談してシミュレーションをしてもらうのがおすすめです。

自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

 

このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、

「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」

という状況の方が多いかと思います。

  • まずは自力でなんとかしよう…
  • とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
  • 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…

↑こんなふうに考えながら、

コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。

ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、

少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。

なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、

税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。

(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)

注意してほしいのは、

税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。

事業や副業を始めて1年目〜3年目って、

事業者側も会計に慣れていなくて、

計算まちがいが生じていることって多いんですよね。

税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。

もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、

延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。

こういったリスクを避けるためにも、

「事業や副業を始めた最初の年度」から、

税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。

>>税理士費用の相場がいくらぐらいか?を知りたい人へ

うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)

(自力で税金計算!…は実は「超危険」です)

うちみたいな小さな規模のところには、

税理士なんてまだまだ早い…

↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。

私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。

「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。

ですが、小さい規模の事業者ほど、

事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。

(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)

なぜかというと、

あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。

税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。

(これは誇張ではなく、リアルな話です)

実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや

副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、

事業を始めてまもないころに、

勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、

数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)

を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。

税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。

利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。

ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、

何年後かにいきなり税務調査がきて、

ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。

なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。

(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)

すでに事業や副業をスタートしている人なら、

少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。

>>自社の近所で「最安値の税理士事務所」を知る方法

「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります

(節税対策や補助金活用で100万円以上のお金が返ってくることもあります)

 

税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、

使える補助金などの活用方法を教えてくれます。

利益がかなり出ている年に適切な節税対策ができれば、

「100万円以上も税金が安くなった…!」

なんてことも普通にありますよ。

創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。

(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)

節税対策や補助金を上手に活用できれば、

税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。

あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。

税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。

毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。

これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。

こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、

私たち事業者は売上を少しでも増やすことに集中しましょう。

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税理士って、地域によって料金相場がまったく違うので注意してください。

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