領収書を出せないと言われたら?店の発行義務と税務署に出す証明書類

領収書 出せないと言われた
(領収書出せないと言われたら?)
  • 領収書を「出せない」と言われたらどうする?
  • お店に領収書の発行義務は無いの?
  • 確定申告で領収書の代わりになる証拠書類ってどんなもの?

自営業者にとって、領収書は税金を少しでも安くするためにとても大事なものですよね。

しかし、利用したお店や取引先から「領収書を出せない」といわれて困った経験をお持ちの方はとても多いのではないでしょうか。

この記事では、領収書の発行義務にまつわる法律のルールを解説します。

どうしても領収書を出してもらえない場合に、代わりになる証拠書類も紹介しますので参考にしてみてください。

(担当ライター)

税理士事務所で11年間働いた後、一般企業の経理に転職してグループ会社3社の経理管理職をやっています(社長の確定申告などプライベートなことまでこっそりやってたりします)会計税務の他にも助成金活用や社会保険関連のリスク管理業務も得意。経営者むけの節税対策専門ライターとしても活動しています。

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販売店には領収書の発行義務がある?

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(領収書の発行義務はあるの?)

結論から言うと、お店は領収書を発行する義務があります。

民法第486条で以下のように定められています。

「弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。」

引用元:e-Gov法令 民法第486条

「弁済」とは代金のことを指し、受取証書とは領収書のことを言います。

つまり、代金を支払ったときに「領収書ください」と言えば、お店は領収書を発行しなければいけないのです。

お店が領収書の発行を拒否するのであれば、支払いを拒否することもできます。

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販売店に領収書の発行義務がない場合とは?

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(領収書の発行義務がない場合2つ)

お店や販売店に領収書の発行義務はない場合を2つ紹介します。

  • 領収書の再発行
  • クレジットカード払いの領収書

領収書の再発行

領収書の再発行は販売店の義務ではありません

何度も領収書を発行することで、経費の不正利用や架空請求が起きる可能性があるため、販売店は領収書の再発行を拒否できます。

原則、領収書の発行は一度限りなので紛失しないように注意しましょう。

クレジットカード払いの領収書

クレジットカード払いのときは、お客さんとお店の間で直接現金のやり取りがないため、領収書の発行義務がありません

お店に現金を支払うのはクレジットカード会社で、クレジットカード会社に後から現金を支払うことになります。

クレジットカード払いでも領収書を発行してくれるお店もありますが、領収書に「クレジット払い」と記載があると支払証明になりません。

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【税務署の調査対策】領収書以外で証拠書類になるもの6選

領収書 出せないと言われた
(領収書の代わりになる証拠書類6つ)

税務署の調査では、領収書がなくても証拠書類に「経費を支払った事実があるかどうか」の記載があれば、経費として認められます。

そのためにも証拠書類は「日付」「金額」「支払先」「支払内容」の4つの項目があるものにしましょう。

それでは、領収書以外で取引があったことを証明できる書類を6つ紹介します。

  • レシート
  • クレジットカードの利用明細 
  • 銀行の振込明細、通帳
  • ネット販売の購入確認メール
  • 招待状や香典袋などのコピー
  • 手書きメモや出金伝票

1. レシート

レシートには、購入した商品名、店舗の名前、住所などが記載されています。

内容を見て事業に必要なものなのか、税務署が判断がしやすいためレシートは信ぴょう性のある証拠書類として受理されるんです。

また、レシートはレジから打ち出されているため、書き換えができません。

不正ができないという観点からも信ぴょう性の高い証拠書類です。

2. クレジットカードの利用明細 

クレジットカードで支払ったときは、領収書が発行されない場合は「利用明細(控え)」が証拠書類になります。

支払証明にはなるものの、支払内容がわからないことが多いのでレシートも一緒に保管しておきましょう。

なお、カード会社から送られてくる「請求明細書」は領収書と同じではありません。

請求明細書はカード会社が「代金を立て替えましたよ」と証明するもので、お店での支払いを証明するものではないからです。

紛失してどうしても見つからない場合は、請求明細書でも証拠書類になります。

3. 銀行の振込明細、通帳

銀行で振込した場合には、振込明細書を領収書の代わりとして使えます。

銀行が発行するものなので、信ぴょう性が高い書類です。

ATMから振込をした場合は振込明細書を、口座から直接振込の場合は通帳記録を証拠書類にできます。

ただし、振込明細や通帳は支払内容がわからないので請求書や納品書などがあれば、一緒に残しておきましょう。

4. ネット販売の購入確認メール

ネットで購入した場合、クレジットカードなどで決済することが多く利用明細(控え)をもらえないためどうすればいいか悩みますよね。

ネット販売などで購入したときは、購入確認メールが支払証明になります。

メールには日付、金額、商品内容などが書いてあるため、レシートと同様に領収書よりも信ぴょう性が高い書類です。

メールが来ない場合は、取引画面のスクリーンショットで証明できます。

注意点として、商品が届いたときに入っている納品書は領収書の代わりになりません。

納品書は「納品したことを証明するもの」だからです。

最近はネットで購入したりダウンロードしたりすることが多いので、購入確認メールはしっかり残しておきましょう。

5. 招待状や香典袋などのコピー

祝儀や香典を出したときに「領収書ください」とは言えませんよね。

このようなときは、招待状や香典袋、お返しの挨拶状などが支払いの証明になります。

招待状などには、いくら支払ったのか書かれていません。

支払金額を書いたメモや出金伝票を一緒に保管しておきましょう。

税務調査のときに、領収書のないお祝い金や香典は疑われる可能性が高くなります。

経費で落としたいのであれば、招待状などを残して対策しておくのが安心です。

6.手書きメモや出金伝票

どうしてもお店から領収書を発行してもらえない場合は、自分で書いた手書きメモや出金伝票を支払証明にできます。

メモや出金伝票を書くのは、支払いしてからできるだけ早いうちに書くのがおすすめです。

時間が経つとどこで、いくら、何を買って支払ったのか忘れてしまいますよね。

税務署の調査のとき、手書きメモや出金伝票は「本当に支払った経費なのか」疑われやすいです。

正しい情報を書くためにも、その日のうちにメモや出金伝票に残しましょう。

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