【個人事業主の節税対策】副業をわざと赤字にして確定申告するのはあり?(開業税理士が執筆)

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副業をわざと赤字するのはあり?
  • 個人事業主がわざと赤字決算にするのってどんなメリットがある?
  • 副業で利益が出たらなるべく出費を増やして赤字にした方が良い?
  • わざと赤字にしたら税務署がくる?どんなリスクがあるか知っておきたい!

税金を少しでも安くしたい…!と思うのはみんな同じですよね。

特に、いそがしい本業のあいまに副業を実践している人にとっては、

「せっかく稼いだ副業収入なのに、税金なんて1円も払いたくない」と思うのが普通です。

そんな中で、節税方法としてよく耳にするのが

「経費を増やしてわざと赤字にする」というものではないでしょうか。

赤字になれば当然ながら税金は発生しませんから、一見するととても良い方法のように思いますよね。

(…と、このように書くと予想される通り、この方法には「悪い面」もあります)

この記事では副業収入のある人が、赤字で確定申告するメリットやリスクについて解説していきます。

今年はもうかったから税金高いかも…と不安に感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。

【この記事を書いた人】文章を書くのが三度の飯より好きな40代前半の税理士ライターです。会計や税務について様々なメディアに寄稿しています。上場企業経理として10年勤務(税理士資格取得)後、税理士・執筆業として独立開業しました。税理士としては常時15社の顧客企業の税務を担当しています。

「副業をわざと赤字にする」は節税対策として有効?

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本当に節税になる?

結論からいうと、副業をわざと赤字にするのはNGです。

バレないから、みんなやってるからという理由で赤字申告するのは誤った考え方です。

節税に力を入れすぎて、赤字の確定申告を続けると脱税を疑われる可能性もあります。

もし税務調査で脱税と判断された場合、

計算し直した税金に加えて、罰金(加算税、延滞税)なども払うことになります。

所得税や住民税を安くするために赤字申告して、

脱税となった場合の金銭的損失、税務署からの信頼の損失はかなりのものになります。

確定申告は慎重に、十分に気を付けて行いましょう。

【参考例】副業でわざと赤字にする人の考え方

ここでは悪い例として、副業でわざと赤字にして節税する人の考え方の一例を紹介します。

仮に、給与所得が700万円で、副業の事業所得を50万円の赤字にするとします。

この場合の所得金額は、700万円ー50万円=650万円ということになります。

事業所得の赤字分を給与所得から差し引くことによって節税ができる!という考え方です。

このことを「損益通算」といい、赤字を他の所得などと相殺することを意味します。

損益通算自体は悪いことではなく、事業が悪化しているときにはむしろ大切なことです。

問題なのは「わざと」赤字にすることです。

事業者としての信用を失う行為ですので、真似しないようにしましょう。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

仕方なく赤字計上する場合のデメリット

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赤字計上にはどんなデメリットがある?

副業がうまくいかず仕方なく赤字にする場合もあるでしょう。

合計所得は下がり、税金が減るのは確かですが、以下のようなデメリットもあります。

  • 住宅ローンなどの借入ができない可能性がある
  • 税務署から指摘されることがある

順番に説明していきます。

住宅ローンなどの借入ができない可能性がある

赤字計上すると、当然ですが金融機関からの信用が落ちます。

そのため住宅ローンなどで借入したいときにできない可能性があります。

金融機関にもよりますが、ローンを組む際は直近数年分の所得を確認されます。

赤字の年があればその後しばらく借入が難しい状況が続くでしょう。

 税務署から指摘されることがある

仕方なく赤字で申告した場合も、税務署から「所得を下げるために副業を赤字にしてるのではないか?」と疑われる可能性があります。

副業が解禁になってから、損益通算で所得を減らす申告が増えているため、

不適切な申告をしていないかどうか、税務署は目を光らせています。

個人事業主への税務調査はほとんどないといわれていますが、可能性はゼロではありません。

調査されたときにきちんと説明できるように管理することが大切です。

>>自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

副業でわざと赤字にするのはNG!確定申告は慎重にやろう

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わざと赤字はダメ!慎重に申告しよう

副業中の個人事業主がわざと赤字にして節税をねらうのはデメリットが大きいためおすすめしません。

デメリットは主に2つです。

  1. 税務署から疑われ、脱税と判断されたら信用を失う
  2. 金融機関からの借入が数年単位で難しくなる

なお、仕方なく赤字となった場合は、損益通算して適切に確定申告しましょう。

自分で判断がつきにくい場合は、税理士に相談するのも一つの方法ですよ。

自営業者は、いつのタイミングで税理士に相談すべき?

 

このブログ記事を読んでいただいている方の多くは、

「なんらかの理由で、会計や税金の計算をなんとかしないといけない」

という状況の方が多いかと思います。

  • まずは自力でなんとかしよう…
  • とりあえず、今年は自分で確定申告やをってみよう。
  • 税理士さんに任せるとかはまだ早い気がするし…

↑こんなふうに考えながら、

コツコツ作業されている方も多いかもしれませんね。

ただ、今後もずっと事業や副業を続けていかれる予定の方であれば、

少しでも早く税理士に税金計算を依頼した方が良いですよ。

なぜかというと、事業を始めてからだいたい3年以内のタイミングで、

税務署から税務調査がやってくる可能性が高いからです。

(特に「利益が出ている新しい企業」は集中的に狙われます)

注意してほしいのは、

税務調査って「過去の年度にさかのぼってチェックしてくる」ことです。

事業や副業を始めて1年目〜3年目って、

事業者側も会計に慣れていなくて、

計算まちがいが生じていることって多いんですよね。

税務署は、私たち事業者側のそういう「弱いところ」をついてきます。

もし税務調査が入って計算のまちがいを指摘されると、

延滞税や加算税などばく大な金額のペナルティが課せられる可能性があります。

こういったリスクを避けるためにも、

「事業や副業を始めた最初の年度」から、

税理士に確定申告を依頼しておいた方が良いんです。

>>税理士費用の相場がいくらぐらいか?を知りたい人へ

うちには税理士なんてまだ早い…(←これ、危険すぎです)

(自力で税金計算!…は実は「超危険」です)

うちみたいな小さな規模のところには、

税理士なんてまだまだ早い…

↑ここまで読まれて、こんなふうに感じたかもしれません。

私も自営業長いことやってますので気持ちはわかります。

「税理士に依頼」とか、なんとなくハードルが高いですよね。

ですが、小さい規模の事業者ほど、

事業スタートした最初の年」から税理士に見てもらう方が良いのはまちがいないです。

(すでに経験豊富な経理スタッフを従業員として雇っているとかなら別ですが)

なぜかというと、

あまり知識がない状態で、自力で税金計算するのってあまりにもリスクがでかすぎるんですね。

税金の計算をいい加減にやってしまうと、下手すると会社がつぶれます。

(これは誇張ではなく、リアルな話です)

実際、私は過去に300名以上の自営業者さんや

副業サラリーマンの方たちとやりとりをしてきていますが、

事業を始めてまもないころに、

勘違いしてやってしまった会計処理のミスが原因で、

数十万円〜100万円以上の追徴課税(延滞税や加算税のこと)

を課せられてしまった人たちをたくさんみてきました。

税金は期限までに「現金で」払わないといけないのにも要注意です。

利益が出ていても、入金がかなり先で税金の納付期限にまにあわない…ってあるあるですからね。

ほんのわずかな税理士に支払うコストを節約したのが原因で、

何年後かにいきなり税務調査がきて、

ウン十万円、ときにはウン百万円もの追徴課税をとられる…。

なんて、馬鹿馬鹿しすぎますよね。

(最近はYouTuberとかでもそういう人増えてるみたいですが)

すでに事業や副業をスタートしている人なら、

少しでも早いタイミングで税理士に依頼しておく方が絶対に良いですよ。

>>自社の近所で「最安値の税理士事務所」を知る方法

「100万円以上も税金が安くなった…!」なんてケースもあります

(節税対策や補助金活用で100万円以上のお金が返ってくることもあります)

 

税理士は、自営業者や副業の人向けの節税対策や、

使える補助金などの活用方法を教えてくれます。

利益がかなり出ている年に適切な節税対策ができれば、

「100万円以上も税金が安くなった…!」

なんてことも普通にありますよ。

創業後1〜3年以内の自営業者だけが使える補助金とかもありますからね。

(※ 補助金=申請すれば政府からタダでもらえるお金のこと。これは期間限定なことが多いので、絶対に検討しておいた方が良いです)

節税対策や補助金を上手に活用できれば、

税理士に支払うコストぐらいは普通にペイできてしまったりします。

あと、経理のレシート整理とかってめちゃくちゃめんどくさいですよね…。

税理士に依頼すれば、こういう作業は全部変わりにやってもらえるのも大きいです。

毎日コツコツ領収書整理して、自力で確定申告…なんて早めに卒業しましょう。

これって経営者がやるべき仕事じゃないですから。

こういう「めんどうな割に1円も生み出さない作業」は税理士に丸投げして、

私たち事業者は売上を少しでも増やすことに集中しましょう。

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税理士って、地域によって料金相場がまったく違うので注意してください。

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